春の紀伊半島滝めぐりレポート、まだちょっと続きがあるので、書いていきますね。長いな!

高野山から降りて、かつらぎ町に入りました!

前回まではこちら
大杉谷の仙人ツアー【前編:穴場の定入滝&新緑の六十尋滝】
大杉谷の仙人ツアー【後編:サイクリングで秘密の滝へ!】
滝頭不動滝・三重県【奥伊勢フォレストピア 滝&登山ツアー】
アナギの滝・三重県【尾鷲の名瀑!対照的な陰陽の滝】
デンガラ滝・三重県【一枚岩を滑り落ちる美女滝】
観音滝・三重県【熊野市 迫力の巨岩に流れる信仰の滝】
笹の滝・奈良県【十津川村の日本の滝百選!念願の訪問】
十二滝/清納の滝・奈良県【十津川村のお手軽滝&空中の村】
牛鬼の滝・和歌山県【大雲取越〜田長谷林道の滝めぐり】
黒蔵の滝(虚空蔵の滝)・和歌山県【有田川町生石 信仰の滝】
次の滝・和歌山県【遠望も裏見も!みかん畑の先に名瀑あり】
滝ガール、高野山へ【千住博さん奉納襖絵「瀧図」を鑑賞】

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かつらぎ町は訪れたのは今回が初めて。九度山町から高野山金剛峯寺に通じる町石道(ちょういしみち)の西側にあります。

まずは有名な丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)に立ち寄りました。

駐車場から外鳥居をくぐった先には、赤い太鼓橋が迎えてくれます。神様の通る橋とされているのだそうで、ちょっと厳かな気持ちで。桜も美しい季節でしたよ。

丹生都比売は天照大御神の妹神で、空海に高野山の土地を授けたとされています。神社創建は1700年以上前ということなのですごい!世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産のひとつにも登録されています。

そして、丹生都比売神社といえば、神犬さま!

1200年前に空海を高野山に導いたのは神の使いである白黒2頭の犬、と伝わっているのにちなんで、こちらの神社にはいま紀州犬「すずひめ号」が、ご神犬としていらっしゃいます。さらに、すずひめ号は二年前に子供を産んで、次男坊の黒い紀州犬「大輝号」もいらっしゃるとのこと。

神犬さまに会えるものと勝手に思っていたら…毎月16日に斎行される月次祭にのみ、公開されているんですって(調べりゃわかるんですけどね)。残念!

こちらのインスタからお借りして…

わあ、なんと賢そうな、お顔立ち…!次の機会にぜひともお目にかかりたいものです。

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さて、かつらぎ町では三つの滝を見てきました。いずれも信仰の滝とされている滝です!

ひとつめ。

●薬師の滝・やくしのたき●
和歌山県伊都郡かつらぎ町大字東渋田。紀ノ川の支流である四邑川にかかる段瀑。合計落差10m程度。道路脇に1台ほどの駐車スペースあり。
来訪日:2021/4/7

国道480号線沿い、道路脇を降りるとすぐ竹林の向こうに滝が見えてきます!

奥から2段。滝には倒木がかかってしまってちょっと残念。国道沿いとは思えないほど、ここだけ何やら秘境ムードが漂っています。

案内看板などがなかったため詳細がわかりませんが、滝の前には祠があり…「千願不動明王」と書かれています。

川には赤い橋がかけられていて、そこから対岸に渡ることができます。

橋からの眺め。下流側も結構落差のある滝になっていますね!

対岸を渡った先には巨岩がせり出していて、さらにワイルドな雰囲気…

階段の上には「大師堂」。「枡形大師」がお祀りされているようです。あまり聞いたことがないお名前。どなたなのだろう…

巨岩の陰には、岩照稲荷大明神、白髭稲荷大明神、だそうです。

ひっそりとしているものの廃れているということはなく、お花やおみず、お酒がお供えしてあったりして、崇敬者はいらっしゃるようすです。観光者としては謎がいっぱいでしたが、地域に根付いた文化にそのまま触れさせていただいているような気持ちにもなりました。

薬師の滝にはかつらぎ町のマップがありました。フルーツのマークがいっぱい。続きまして、この滝に表示されている残り二つの滝をめぐってみることにします!

●三重の滝・さんじゅうのたき●
和歌山県伊都郡かつらぎ町平。紀の国名水百選の一つ。かつらぎ八景
落差約20m。一言主神社境内の奥、下津川に上から聖宝の滝、不動の滝、潮の滝があり、そのうち不動の滝が上段・中段・下段と三段になって流れ落ちることからこの名で呼ばれるようになった。
来訪日:2021/4/7

こちらの滝も信仰の滝で、入り口から摂社が並んでおり、参道らしい雰囲気。

こちらが、一言主神社です!

というと、奈良の葛城一言主神社が有名ですね。「願い事を一言で願ったら叶えてくれる」らしい。ので、まあ図々しくもお祈りさせていただいたのち…

滝は、すぐ右手奥に落ちています!

こちらが、三重の滝!おおお、こちらもなかなか立派。滝つぼはないタイプの滝なので、もしかするとここで禊をされる方もいらっしゃるかもしれません。

三脚を持っていませんでしたので、自撮り。お邪魔いたしました!

そして最後!三重の滝からも近くにあるのが、文蔵の滝。

●文蔵の滝・ぶんぞうのたき●
和歌山県伊都郡かつらぎ町東谷。穴伏川(四十八瀬川)支流の堂川に落ちる。落差15m。平安〜鎌倉期の文覚上人が荒行した場所と伝わる。「紀の国名水100選」和歌山県「親しめる水辺66選」。駐車場から徒歩3分。
来訪日:2021/4/7

滝までの道はよく整備されています!事前に調べてきたところによると「長靴がいいよ」とのことなので、ちゃんと履いてきました!

シャクナゲが咲いていました。今年は全体的に2週間ほど花が早いようでした。

さあ、鳥居が見えてきましたよ!

不動明王ほかこの地元を守る神様らしき「七大龍王」を祀るお社。その奥上部に、チラッと、滝が見えているのがわかりますでしょうか!

お参りを終えたら、いざ滝の方へ。

なるほど!ここは確かに長靴必須です。このしめ縄部分を奥へ進みます…ロープを用意してくださっているので、しっかり握って流されないように。

進みますと…こちら!

狭い洞窟のような空間で滝と対峙できるようになっていました!

しかしこれは、全然写真だと上手く伝わらないな(涙)!広角レンズ持ってくればよかったけど、どっちにしろそれだとかなり歪んじゃう。この空間の感動は実際に行ってみないとなかなか…。

岩のしましま模様が美しいですねぇ。

音も反響しているからお腹に響いてくる感じがします。

見上げた景色がこちら。

滝つぼ。ここは信者の方が滝行をされているそうです。なんといっても、この滝の名前の由来でもある文覚上人も滝行をしたと言われていますからね。パワーがありそうです。

岩陰からはお不動様が見守ってくださっています。

一応、自撮りもしてみました。スマホの自撮りレンズは広角だから一応全体がうつった!暗かったからボヤボヤになっちゃっていますけど、こんなイメージです!

やあ、ユニークな滝でしたねぇ。帰りも慎重に!

かつらぎ町の三つの滝は、いずれも観光地としての派手さは全くなくて非常に奥ゆかしく…地元の方々に根付いた祈りの場として大切にされてきていることがわかるものでした。滝文化がいまでもこうしてしっかり継承されていることを感じられて、何だか嬉しくなりました。旅人がお邪魔させていただきました、ありがとうございました!

あとちょっと、続きます!

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前回まではこちら
大杉谷の仙人ツアー【前編:穴場の定入滝&新緑の六十尋滝】
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