春の紀伊半島滝めぐり。十津川村編の続きです!

前回まではこちら
大杉谷の仙人ツアー【前編:穴場の定入滝&新緑の六十尋滝】
大杉谷の仙人ツアー【後編:サイクリングで秘密の滝へ!】
滝頭不動滝・三重県【奥伊勢フォレストピア 滝&登山ツアー】
アナギの滝・三重県【尾鷲の名瀑!対照的な陰陽の滝】
デンガラ滝・三重県【一枚岩を滑り落ちる美女滝】
観音滝・三重県【熊野市 迫力の巨岩に流れる信仰の滝】
笹の滝・奈良県【十津川村の日本の滝百選!念願の訪問】

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笹の滝の他にも、十津川村で訪ねてきた滝がありましたのでレポートしますね!

まずは村の入り口、七色にある十二滝から!こちらは6年前の十津川旅でも訪れた滝(記事は十二滝・奈良県【ようこそ!秘境十津川村の看板娘】)。

●十二滝・じゅうにたき●
奈良県吉野郡十津川村七色。国道168号線の和歌山県との県境から2kmほどのところの道路脇に落ちる。駐車スペースは少ない。落差100mほどともいわれる。
来訪日:2021/4/2

国道168号線の和歌山県との県境から2kmほどのところの道路脇に唐突に現れます。

繊細かつ迫力のある滝で大好きです!岩肌を滑り落ちるしなやかなフォルムが女性的な魅力を放っています。落差は100m近くあると言われているので、ここから見えない部分(上にも下にも)に段が続いているということなのかもしれません。

今回はちょうど展望台に八重桜が咲いていて素敵でしたねぇ。

斜めのアングルだとまた迫力が伝わりますでしょうか!

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続きまして、十津川村から下北山村へと抜ける国道425線(日本三大酷道とも言われております…)に入ります!

最初に見えてくるのが、不動滝です。川の対岸に見えています。河原に降りられないこともない、という感じでしたが、今回はパス!

そして、次のお目当ての滝へ。

大野出合橋近く、こちらも駐車スペースから徒歩3分ほどとアクセスは手軽です。

●清納の滝・せののたき●
奈良県吉野郡十津川村大野。国道425線、大野出合橋近くに落ちる滝。落差15m程度。広い滝壺が特徴。別名、瀬野の滝とも。また「マイナスイオンの滝」とも呼ばれて親しまれる。道路脇に駐車スペースあり、徒歩3分ほど。

来訪日:2021/4/2

こちらの滝は、6年前よりもメジャーになっていた感じがします!「清納の滝」と「瀬野の滝」の表記もバラバラでしたが、現在は清納の滝に統一されてきている感じ。十津川村の観光協会でも推しているようで、現地には「大野出合のヴィーナス」もあわせて、看板がつくられていました。

大野出合のヴィーナスとは何かというと。顔のように見える岩のことだそうで…こちらがその写真!

どうですか?個人的にはヴィーナスというよりもおじさんっぽく見えたりするのですが…でもなんだかご利益がありそうですよね!

さて、ヴィーナスを眺めたあと、清納の滝はすぐそこ。

遊歩道にはシャガが咲き乱れていました。

この階段の下がすぐに滝になっていますよ!

こちらです!

わーい!

明るくて広い滝つぼがやっぱり素敵!

こちらも6年前に一度訪れていましたが、今回、滝つぼには当時はなかった中洲が誕生していました。この6年の間に豪雨や台風などが何度かありましたからね。滝はこうして変化していくんですねぇ…しみじみ。

↓ こちらが6年前の様子

前回の記事は→ 瀬野の滝・奈良県【青く輝く滝壺!十津川村の憩い滝】

「マイナスイオンの滝」とも呼ばれているだけあって、本当に気持ちの良いスポットです。

お日様が挿すとなおさら!

キラキラした水面を眺めていると、前向きなエネルギーをいただける気がしてきます!

ここでお弁当タイム。最高です!

いつまでもまったりできちゃう感じでした…

ご一緒していたくまの・川遊び部の佐竹さんは、この滝つぼでパックラフトで遊ぶことを画策して持参していたのです。でも穏やかそうに見えた滝つぼに意外と流れがあるのと安全な降り口がなかったのとで、今回は断念!ここでぷかぷかボートを漕げたら気持ちいいだろうけどなぁ。

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そして!

十津川では新名所にも行ってきました。

こちらです。「空中の村」

「空中の村」…これはなんだか気になるネーミングですよね。佐竹さんも最近その名前を聞くようになり、看板もよく出ているので気になっていたとのこと。わたしは十津川に来るまで全然知らなかったのですが、なんだか導かれるような流れがあり、訪れることになりました。

こちらの施設、昨年の春にオープンしたばかりらしいのですが、いろんな意味でとても面白い場所でした!

どういう場所かを説明するのが難しいのですが、広い森の木々の間に特殊なネットで空中の通路やお部屋ができていて、そこを自由に行き来して、ゆっくり森の中での時間を過ごせるというもの。

子供向けのアスレチック的なものかと思いきや、むしろ「大人の遊び場」というキャッチフレーズがついていて、都会の暮らしに疲れた大人がここで寛ぐことで癒されることをメインの目的にしているとのことでした。

もちろん子どもも大喜び。

フランスにこの樹上の設備をつくれる会社があるのだそうです。息抜きの仕方をよくわかっているのがなんだかフランス人っぽいですよね。自由に読める本や、ドリンクサービスもあるから、本当に一日中のんびり過ごせるようになっています。

今回は時間がなかったので、ネットの下から様子を眺めただけでした。樹上の皆さまが心から楽しんでいらっしゃる様子が伝わってきました!うらやましい!次に来たときはわたしも一日中ゴロゴロ過ごしてみたい…✨

空中の村 WEB SITE

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しかし、なんでまたこの十津川村にこの施設が…?と、最初は謎がいっぱいだったんですが、現地スタッフの方にいろいろとお話を伺うことで、経緯や背景を知ることができました。

こちらの施設は十津川に移住した森を愛するフランス人の青年、ジョランさんが運営しています。十津川村の自然に惚れ込んだジョランさん、当初より「空中の村」の構想を描き、十津川村の地域おこし協力隊として林業に携わったのち、ついに事業を実現させたそうです。明確な理想と綿密な計画…すごい!

その辺の経緯はこちらの動画にまとまっていました!ジョランさんはこの日たまたま不在で会えませんでしたが、勝手にかなり気になる存在になっております…☆

さらによく聞いてみると、ここはちょっと変わった運営スタイルで、土地としてはもともと奈良県・十津川市が管理する「21世紀の森・紀伊半島森林植物公園」で、空中の村の施設としては、民間であるジョランさんの運営ということで。官民連携なんですね。

だから、現地の「森林館」には市の職員さんもいらっしゃいました。職員さんに話してみると、大変親切にご案内くださり、そもそもこの21世紀の森がどういう場所なのかも教えてくださいました。

この公園がある「小川」というエリアは、明治22年の十津川大水害によって、大規模な山腹崩壊が起きた場所なのだそうです。

この写真 ↑ ちょうど向かいに見えている山が、崩れたあとの山肌。21世紀の森は、その大量の土砂で埋め立てられた場所につくられた森林公園なんですね。たしかに、公園には立派な慰霊碑もありました。

十津川大水害については、北海道に「新十津川村」があるのもそういう理由なんだなと少しは知ってはいたものの、こうして現場にきてみてその場を踏んでみると、とんでもない規模の出来事だったのだな、と思わされます…。

21世紀の森といえば、シャクナゲでも有名なんだそうです。世界中から約120種類・1万本のシャクナゲを集めたのだとか。少し早いですが4月の頭でも一部咲き始めていました。

険しい山の中にほどよく平らな広い森があり、そこにはシャクナゲもたくさん咲いていて…その不思議な公園がつくられた背景がこれでちょっとわかりました。すでに基本的なインフラが揃っていることもありますし、「空中の村」の構想には、絶好の場所だったのだと思います。

もともと林業関連のお仕事をされていた佐竹さんも、新しい形の森林活用に興味津々でした!

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ちなみにこのとき、案内してくださった職員さんに「滝が好きでして…」と伝えたところ、なんと「実は、滝が見えるスポットがあるんですよ」と展望台まで連れて行ってくださいました。ありがたい!

公園の外れの方にある、この東屋…

見えました!

七泰の滝です!なんと、こんなところから遠望できたとは!

かなり遠いけど、しっかりと水音は響いてきていました。七泰の滝は沢を遡上していけるらしいのですが、遠望スポットについての情報はネットでも見かけたことがなかったので、教えてもらってよかった!沢側から見上げる形だとあまり落差が感じられないようなのですが、遠望ですと滝の落差も意外とあるんだな、とわかりますね!

フランス流の新しい森林の活かし方を見学できて、思いがけず滝にも出会えて!有意義な時間となりました。

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おまけ。

看板犬ムサシくん、めっちゃかわいかったです☆

続きます!

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