春の紀伊半島滝めぐり。まだまだ続いております!

前回まではこちら
大杉谷の仙人ツアー【前編:穴場の定入滝&新緑の六十尋滝】
大杉谷の仙人ツアー【後編:サイクリングで秘密の滝へ!】
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こんどは、熊野古道の滝です!

この日、ご一緒してくださったのは、勝浦で廻船問屋をされている濱口起年さん。

熊野新聞さんではもう4年ほど連載をさせていただいているのですが、それをきっかけに地元の方とのご縁もつながってきています。

2年前に熊野新聞の英字特別版で滝を特集してくださったことがあって滝ガールも登場しましたが、そのときに濱口さんも地元の滝好きさんとして、おすすめ滝をご紹介されていました。

【新聞】熊野新聞の英字新聞バージョンに“Takigirl”が登場!

いつか滝にもご一緒したいですね、というお話をしていたのですが、今回タイミングがあってお仕事の合間に滝をご案内いただきました!お付き合いくださりありがとうございます!

当日の朝はにわか雨も降って、あまり長く歩くのもなあということで、手頃なところで。今回は熊野古道(大雲取越)の地蔵茶屋近くにある牛鬼の滝、そしてそのさらに奥の田長谷林道にある無名滝にご案内いただきました。

まずは牛鬼の滝。

●牛鬼の滝・ぎゅうきのたき●
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町口色川。熊野古道大雲取越の中間地点である地蔵茶屋休憩所から林道を徒歩5分ほど。滝本北谷の上流部。落差15m。奥の比丘尼滝とも呼ばれる。
来訪日:2021/4/3

美しい滝が連続する滝本北谷の上流の滝になります!滝本北谷は何度か訪れていましたが、ここはわたしははじめて!林道沿いでアクセスも簡単なところだけど、これまで立ち寄ったことなかったです。

林道からの入り口がこちら。

すぐに見えてきます!

倒木があるけど気をつけて近寄ります!

わああ。

格好いい!幅広の分岐瀑、立派なたたずまいです。

紅葉の季節には、鮮やかに彩られるのだそうで!でも、緑の季節も十分いいですよ。

そして、岩がどことなくセクシーでした。柱状節理っぽいゴツゴツではなくて、なんと言えばいいのか…黒い皮のジャケットの艶のある風合い?

岩と流れが作り出す白いライン。不規則なようで絶妙なバランスを生み出しています。

特にここの斜めのラインがわたしのお気に入りです。

奥比丘尼滝とも呼ばれているようです。「比丘尼」っぽさは滝のみためとは関係なさそうなので?と思って調べてみると、どうも下流に比丘尼滝(尼さんが山賊に突き落とされた滝という怖い伝説がある)があって、その「奥」ということのようでした。

このときはまだポツポツと雨が… ですが、雨の波紋が作りだす情景にもいちいち感動しちゃう滝ガール。

パワーを受け取って嬉しそうなわたし。

林道からのアクセスも良いので、また近くにきた時には気軽に立ち寄ってみようと思います!

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さらにここから田長谷(たなごだに)林道を進みます。この先には鼻白の滝があります。そういえばこのあたりは案内してもらうばかりだったので地理関係が自分でよくわかっていなかったんですが、そうか、ここは林道でつながっていたのか!と。

ここには濱口さんがお気に入りの二つの無名滝があるということでした!上流と下流、少し離れて趣の異なる二つの小さな滝が続いているところだそうで。

まずは上流の滝。

林道を何気なく走り抜けてしまうと気づかないかもしれないですが、そこは滝好きの濱口さんの嗅覚。道路から見えているこの部分からいい滝の予感がしたそうなんです。

で、沢に降りてみると、こんな感じ!

おお!女性的な分岐瀑が、広い滝つぼに注いでいました。これは確かに素敵だ!

落差は5mないくらいかなと思いますが、空間全体の雰囲気が明るくてとてもいいんです。

こちらでお湯を沸かして、コーヒーをいただきました!滝つぼの前には平らな岩場があって、ひと休みするのに最適。ここでコーヒー飲めたら最高だな…って思っていたところなので、かなり嬉しい!ありがとうございます!

ちょうどこの辺りから雨も止んだので、ゆったり過ごせました。

続きまして、下流の滝へ。こんな感じで上流の滝と下流の滝は数十m離れていて、ナメ床がつないでいる形です。

とはいえ、やっぱり道路からだとよく見えない!

沢に降りてみます!

見えてきた!

こちらです!

また全然雰囲気が違うんですね。こっちはずいぶん男性的な滝!勢いよく深い滝つぼに注いでいます。

濱口さんの滝を眺める眼差しが、本当に愛にあふれております…

その気持ち、わかります…

濱口さんは一人で何度もこの滝に来ては、こうして語り合っているのだそう。無名滝だから、きっとこうして沢に降りて眺める人はほとんどいないと思います。自分だけの親友のような感じなのかもしれませんね。

熊野には無名の滝もたくさん。探せばこういう素敵な滝がまだまだありそうですよ。いやあ、熊野の滝めぐりには、終わりがないということです!

帰る時には晴れてくれて、林道からの景色もバッチリ。太平洋が見えました。あらためて、すごい場所ですね!

ちょっと違う角度から、熊野の奥深さを体験してきた感じ。濱口さん、連れてきてくださりありがとうございました!

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山を降りがてら、わたしは一人でこちらにもやはりご挨拶…

那智の滝。

何度お会いしても、その神々しさに、心の深いところから感動が湧いてきます。この感覚、大切にしたいのです。だから、確かめにきています。

昔の人はそれこそ命がけで熊野詣をしていたわけですし、いまこんなに気軽にヒョイと会いにいけちゃうのも不思議な感じもするのですが(まあ東京からは遠いけど)、そのありがたみを毎回噛みしめていたいと思います。

続きます!

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