岡山&鳥取の滝めぐり。

雨滝に続き、今度は鳥取県西部へ。こちらも日本の滝百選に選ばれている、大山滝に向かいました!

●大山滝・だいせんだき●
鳥取県琴浦町野井倉。加勢蛇(かせだ)川の上流を落ちる滝。落差37m(?)。一向平キャンプ場駐車場からハイキングコースで約45分。
来訪日:2015/5/3

スタートは一向平キャンプ場駐車場。ここから1.9kmの道のりです。

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新緑に包まれた遊歩道は快適。カエルが鳥の鳴き声に負けじと、コロコロと合唱していました。どちらも姿は見えないけれど、音の存在感といったら。この風情が大好きです。

途中、急な下り階段があるのですが、ここ以外は比較的、平坦な道です。

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吊り橋までくると、半分くらい。

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椀や盆などの、 木工品を作っていた木地師さんたちが居た場所の跡地だそう。

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駐車場から出発して約45分で。いよいよ展望台に到着!

展望台からの眺めが、こちら!

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あれー!??
思ってたのと、形がちがーう!

わたしが愛読している滝の写真集に載っているのと違いました。

こういう↓ のでは?

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(Wikipediaより)

展望台にいる人が教えてくれました。2011年の台風12号が直撃した時に大きな崩落があって形が変わったんだとか。

って…恥ずかしながら、わたし知らなかった!
2011年の台風12号は、各地に甚大な被害を及ぼした台風ですよね…

この看板によると…

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もともと3段だった滝が、昭和9年にも室戸台風で大規模な崩落があって、よく知られている2段の滝になっていたんだとか。この看板の設置された後にも、さらに、また大きな変貌をとげたわけです。

展望台から、鎖をつたって、滝壺に降りることもできます。

滝壺からの眺めが、こちらです!

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1段目は、ざばーーーっ!と、昔より広くなった滝壺にすごい勢いで落ちていっています。2段目が落差4、5mといったところでしょうか…。その下に広がるのは、エメラルドグリーン。ここは結構深そうですね。

水しぶきがバシバシ飛んできます。谷が音響効果になっているのか、滝音も激しく響きわたって。

ナナメから見てみると、奥行きを感じますね。

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滝壺のそばでダイナミックな倒木が転がっています。自然の猛威…。

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振り返れば、そそり立つ岩壁。崩れてこないか…と、ちょっと不安になりました…。

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昔の端正な2段瀑の姿も、一度見てみたかったなあ、と思います。でも、滝は今も今で、ひたすら落ち続けていて。雰囲気は違うけれど、それもまた、今の情景と調和していて、美しいんですよね。

滝に経年での形状変化はつきもの。でも、ここまで短期間にダイナミックに変化してきている滝も珍しいかもしれません。

ハイキング途中で、木地師さんが住んでいた跡地を通ったけれど、木地師さんが当時ここで暮らしていた時は、どんな滝の姿だったんでしょうね…? きっと全然違うはず。

インパクトを伴う変貌、という形でこの滝が教えてくれたのは、わたしたちがあらがえない自然の脅威。そして、形を変えてもなお、自然の節理を切々と伝えてくれる存在としての滝の偉大さを感じたのでした。

この滝に出会ったおかげで、どこかで自分の頭にあった「滝の姿はそう大きくは変わらない」という固定概念も打ち砕かれたようです。

諸行無常。
「いま、ここにある美しさ」と向き合うこと。滝との一期一会、これからより一層、大切にしなくちゃ!と思いました。

ちなみに、帰りは行きよりもハードでした…(なんせ登りの階段が…。数えたら379段ありました)
おなかがぺこぺこになったので、キャンプ場のバーベキューハウスで、お蕎麦をいただいて。

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さ、次の滝へ! 次もまた、日本の滝百選!

岡山&鳥取の滝めぐり これまではこちら。
琴弾の滝・岡山県【心のふるさと美作で響く音色】
屋敷の滝/奈義町現代美術館・岡山県【自然と人間と芸術と】
三滝(芦津渓谷)・鳥取県【智頭町の「懐かしさ」の理由】
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