ここ最近、縁あって庄内エリアに何かと訪ねてきました! で、2020年一発目の旅行も、庄内でした。
滝めぐりというよりは、リピーターとして庄内をさらに深く知りたくて。
今回の旅は、大学の後輩でもう10年くらいの付き合いになってる美鈴ちゃんが、なんと昨年から庄内町の地域おこし協力隊になったということで、彼女がいろいろと案内してくれたんです。おかげさまで地元の人と一緒だからこそ楽しめる旅になりました。
よく食べ、よく飲み、よく笑い。新しい出会いもあり、もちろん滝にも行って。盛りだくさんの3日間の旅の様子、ダイジェストですが記録しておきます!
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初日、庄内空港から向かったのは、庄内町。庄内平野の中央部から月山のふもとまで、最上川と立谷沢川の流域に広がる、長細〜い形の町です。
ドライブしていると目に入ってくるのが、白鳥の落ち穂拾い。一心不乱にひたすらもぐもぐ。庄内のこの季節ならではの、大好きな風景が迎えてくれました。
でも、平野部には全然、雪がない!今冬は雪が降らないそうで、東京から引っ越して1年目の冬を迎える美鈴ちゃんはちょっと安心していたようでした。
さて、最初に、美鈴ちゃんに連れてきてもらったのが、地元の奇祭!「やや祭り」。ちょうどこの日にやっているということで案内してもらいました。地元のお祭りってとても好きなのでラッキーでした。
庄内町千河原地区に300年くらい続いているというお祭りです。小学生中学生の男子たちがザバーッと水をかけられて無病息災をお祈りするんですって。
8人の男子がチャレンジしていました。健気でかわいかった!
厳冬期、通常なら雪がちらつく中でのお祭りですが、雪がまったくないのはすごく珍しかったそうです。
とはいえ、それでも寒いですからね、みんな頑張ってましたよ。
わたしたちは見物しているだけでしたが、昼食はやっぱりあったまろ〜ということで、美鈴ちゃんおすすめのラーメン屋さんへ。庄内エリアはとにかくラーメン屋さんがめっちゃ多いらしいです!
今回、セレクトしてくれたのがこちらの「花や」さん。
もともと実際に花屋さんだったのが、その倉庫の一角でラーメンも出すようになった、という不思議なお店でした。かなりの人気店だとか。
メニューもたくさんあるんですが、わたしが選んだのは「庄内産のどぐろと鯵の中華そば」。
こちらです。
これが、本当に美味しすぎまして。のどぐろを出汁に使うなんて、なんて贅沢なの!って感じですが、やっぱり高級魚なだけあります。上品かつ深みのあるスープに驚きました。キレイに飲み干しました!
続きまして、庄内町をさらに奥へ。「滝ではないけど、滝ガールの坂崎さんを連れてきたかった!」とのことで。
今回の旅、いわゆる雪景色をしっかり堪能したの、ここだけでした!
こちら!
庄内町の名水100選、立谷沢川にかかる「六渕砂防堰堤」です。昔はかなり暴れ川だったそうですので、昭和20年代に最新の技術でつくられたこの砂防ダムのおかげで町民の暮らしが守られるようになったそうな。国の登録有形文化財に指定されています。
人工物ではあるものの先人の努力を感じる美しい造形。滝ガールも見惚れてしまいました。長靴を履いてズボズボと雪の中を歩くのも楽しかった! でも、夏も来てみたいですね。
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初日はスイデンテラスさんで宿泊です。
スイデンテラスさん、もう3回目になります。子供連れファミリーもビジネスマンもおしゃれな若者も混在してて、なんとも言えない居心地の良さ。温泉もあるし、特に大好きなのがこちらのライブラリーです。
いつもその時々の自分の関心にあったスペシャルな本と出会うことができます。
ちなみに今回ペラペラしたのは、重森三玲さんと土門拳さんの写真集。なかなか買えないやつ!
新年のご挨拶でも書いたのですが、わたしのここ最近の関心事は「日本の美意識」。先人たちがそれをどう表現したのかに、興味しんしんなのです。
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初日のディナーは、東京からの旅仲間のぐちゃんと、そしてスイデンテラスを運営するヤマガタデザインの長岡さんと合流しました。ちなみに長岡さんは昨年の夏にこちらの滝をご一緒して以来、滝に目覚めてくださった滝ボーイです!
向かったのは、ベッダシチリアさん。庄内の素晴らしい食材に惚れ込んだシェフの古門さんが、シチリアの明るく輝く太陽のようなお料理と自然派ワインを提供してくださります。
どどーん。
シェフの人生観が反映されていて、ひと皿ひと皿が対話のようで。食の喜びを存分に感じました!
前回、大勢の仲間たちとランチでお邪魔してその時も感動したのですが、この日はわたしたち貸切だったので、3人でもあれこれ語ることができたし(やや騒ぎながら)、さらにシェフからもいろいろお話を伺うことができ、新年早々、プライスレスな時間でした。
ありがとうございます!(むちゃくちゃ嬉しそう…)
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翌日も、美鈴ちゃんと庄内ツアーにお付き合いいただきました!
まず向かったのは、スイデンテラスでも予習をしていた土門拳記念館です。
酒田市で生まれた土門拳が、酒田市に作品の全てを寄贈して、それらを展示する写真美術館を作ろうということで建てられたそうな。わたしが生まれた頃くらいにできた建物とのことですが、なんだか素敵なところでした。建築家の谷口吉生さん設計だそうですよ。
土門拳のライフワークだった「古寺巡礼」を初めて見ることができました。
同時代を生きた芸術家たちを撮った企画展がやっていて、これがまたよかった…。
三島由紀夫、川端康成、棟方志功、志賀直哉… ああ、本当に居たんだな、こういう人だったんだな、と伝わってくる写真たちでした。
また酒田にくる際には訪ねたいと思います。落ち着く空間でした。
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お昼は、こちら!
大松家さんです。
実はわたし、3回目。酒田に来たら、かなりの確率で来てる!
いつも炭火焼きコースを頼んでいましたが、今回は「おもしろお肉コース」をセレクト。何が「おもしろ」なのかが気になって。実際、バラエテイに富んだお肉たちで楽しかった!
山形牛はさすがの味わいでしたよ。
庄内冬の名物ドンガラ汁もいただきました。冬の日本海でとれる真だら、内臓含めて頭から尻尾まで丸ごと使って作るお鍋だそうです!ほこほこ沁みました。
コースだから2時間近くのんびりしてましたね。まんぷくまんぞく!
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そして午後は、いよいよ滝へ! 鳥海山の絶景を眺めながら…
やって来ました、玉簾の滝です!
雪はこんな程度でしたよ。
見えてきました!
ご無沙汰してます!
相変わらずかっこいいですねぇ。冬場でも水量もしっかりありました。暖冬なので雪やツララはなかったんですが、風が強くてさすがに…寒い! 滝も風にあおられて形を変え続けていました。まさに龍のように、生きているような感じ。
わたしたちと滝と、貸切の空間。せっかくなので、美鈴ちゃんにも滝の鑑賞方法をじっくりお伝えしました!
動画はこちら!風の音で滝の音が消されてたけど…
庄内で一番迫力のある滝、玉簾さん。またお会いできるのを楽しみに…☆
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酒田の市街地まで戻って来たら、ずっと気になっていた「あの」お寺へ。
酒田市街地ど真ん中にある海向寺さん。
こちらには、いわゆる僧侶のミイラ「即身仏」が祀られているんです。
山形は全国でも即身仏が多いエリア…というのは、みうらじゅんさんの本を読んで知っていたんですけれども、なかなか勇気が出なくて来られなかったんです。庄内地方に6体あって、さらにその中でもこの海向寺には、忠海上人と円明海上人という2体の即身仏がいらっしゃいます。
厨子を開けていただきご対面、そのあとに即身仏の修行についての説明をお寺の方にしていただきましたが、なんだかそのお堂で時空が歪んでいたような…?
熊野で補陀落渡海のお寺を初めて訪ねた時もぜんぜん歴史を知らなかったので衝撃を受けましたが、やはり直でお目にかかれるというところでは、即身仏のインパクトは相当ありました。そういえば、村上春樹の「騎士団長殺し」にもそんなような描写があったよな…とかも思い出したりして。信仰心と死生観について、いろいろ考えさせられた夕暮れです。
(夕暮れの山居倉庫)
酒田の夜は、美鈴ちゃんのだんな様も合流〜
こちらでは地酒ナイト!さすが酒と田んぼの街ですよ。限定日本酒がたくさんあって、愉快に飲み進めました!
旅先でも友達とわいわいできるのって、ありがたいですね。
はしご酒で屋台村にも行きました。酒田にも屋台村があったんだ!
屋台村って日常と非日常が混ざったかんじでとても好き。旅人と地元の人の交流の場所にもなりますよね。
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そして最終日も美鈴ちゃんにお付き合いいただいてしまいました(笑)。先輩風、吹かせすぎ疑惑です。
「これだけは食べてってください!」と、お連れいただいたのは、酒田港。
みなと市場にある「小松まぐろ専門店」さんです。
マグロを中心にいろんなメニューがあるんですが…
この日は、美鈴ちゃんのおすすめ「山ほこ丼」一択!
楽しみに待ってると…
来たあ!
えええ!
まさかドライアイスの演出。これは予想を超えてました!これはテンション上がっちゃいます。わたし、目が釘付け。
さすがに食べきれないので、美鈴ちゃんとワケワケしました。それでもこのボリュームですよ。十分すぎる!
幸せ満腹で帰路につきました。美鈴ちゃん、3日間もご案内ありがとう!
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今回の冬の庄内旅はこれにて終了!(この日は東京に帰ってそのまま仕事に出かけたので、なんだか落差がすごくなって疲れました…)
ひたすら長くとりとめのないレポートになってしまいましたが、それでもいいんです。記録しておきたかったのは、盛りだくさんだったんだよ!楽しかったし、美味しかったよ!ってことです。
もう何度目かの庄内になりましたが、まだまだ魅力は掘りきれていないなあ、と思わされます。訪れるたびに、ああ、次はあそこも行かなきゃ〜ってなってる。
滝もたくさん、美味しいものもたくさん、文化も奥深い…。そして何より、会いたい人たちがいるのが庄内!
これからもちょくちょくお邪魔させていただきます☆