2020年のご挨拶【日本の美意識を滝から深掘りする】

2020年のご挨拶【日本の美意識を滝から深掘りする】

もうあっという間に1月も後半です。遅ればせながら、新年一本目の投稿です!

元旦には滝初めに出かけましたし、先々週は山形、先週は軽井沢、と相変わらず旅をしてきました。またそのレポートは追って書くことにしまして……

毎年、年初には「今年の抱負」的なものをご挨拶がわりに書いています。

2019年は「良い旅人になる」がテーマでした。

滝と同じくらい、旅が好き。それがわたしの滝ガール活動の根本にあります。滝を通じて学んだことは多いけど、旅をすることそれ自体にすごく意味があった。何より、滝があったから、わたしは旅に出ることができたんです。

振り返ってみると去年1年は、旅の意味や、旅人としての心得みたいなものを考えながら、全国の滝を訪ね歩いてきました。そして、旅をしながら、どんな時に自分が感動しているのか、楽しんでいるのか。丁寧に観察していました。

そうしてやってきました2020年!
毎年ね、ちゃんと次のテーマが見つかるものなんですよ。

2020年のテーマは「日本の美意識を深掘りする」です。

日本。このキーワードは、ずっと近くにありながらも、これまでじっくり見つめることはありませんでした。

「海外の滝は行かないの?」と聞かれても、「うーん、やっぱり日本の滝がいいんですよね」と答えてきました。わたし自身が日本の滝になぜ魅せられているのか、その理由については深掘りすることがそこまでなかったんです。

でも、ここにきてだんだん、これは無視できないなと思ってきました。

自分の心の動きを追いかけてみて気づいたこと。どんな時に、わたしは「グッ」ときているのか?って。

それは、日本古来の地域文化に触れたり、日本の自然が持つ美しさに圧倒されたり、一言で表すなら「日本的情緒」が発動したときなのでした。

「情緒」とは、尊敬する数学者の岡潔さんがよく使っていた言葉です。岡先生はご著書で「情緒とは、自然が人間に差し出してくれるものを受けとる心構えのこと」と書いています。そしてそれは日本人が古来とても大事にしていた価値観、美意識なんだ、と。

情緒を思い出させてくれる場所が、わたしにとって、滝でした。

まるで生き物のように虹をまといながら、まっすぐに落ちている様
綺麗に掃き清められた神社の裏手に、静かに落ちている様…
紅葉が眩しいくらいに輝き、滝つぼの水面に反射している様…

滝とその周辺の自然を味わっていると、ああ、美しいなあ……とシンプルに涙がじんわりにじんでくるんです。この滝ガールブログにもこれまでその感動をたくさん書いてきました。岡先生の言葉から、ああ、まさにこれが情緒なんだ、と思いました。

でも、現代を生きる日本人って、わたしもそうだし、みんなもそうだと思うけど、情緒から切り離されて生きてきています。むしろ日本の教育って情緒を感じさせなくなる装置みたいなものだったかもしれない。

わたしは大人になって、幸運にも滝を通じて、その心に触れることができました。だとしたら、これからはもっともっと意識的に、感じ取っていきたいです。

去年、熊野新聞さんの英字新聞で滝ガールを取材していただいたことも一つのきっかけでした。情緒あふれる英語でまとめていただきました。日本(特に熊野はそうだと思う)に関心のある外国の方こそ、むしろ日本の美意識が伝わっているのではないかとも思わされました。

滝を通じて、日本の美意識ってどういうことなのか、もっと深掘りしたいです。言葉で表すのって難しいけど、ぼんやりとした「こういう感じ」ってだけじゃなくて、もう少し解像度を上げていきたい。そして、滝の素晴らしさを語るときも、その切り口でちゃんと伝えられるようになりたいのです。

なんだか大きな話になってしまったんですが、わたしの人生そのものが滝にナビゲートされているようなものだから、仕方ないですね。わたしにとって滝は、いつだって先生です。

2020年。情緒を大切にして、生きていきます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

↑ 2020.1.1の写真です!