滝ガールが考える「滝のポテンシャル」コラムシリーズ。
気まぐれ更新ですが、今回は「滝とバリアフリー」がテーマです!
先日、仕事の集まりで、株式会社ミライロの垣内俊哉社長にお会いしました。
ミライロは、誰もが安心して快適に過ごすことができるユニバーサルデザインについての、さまざまなコンサルティングを行っている会社です。
生まれつき「骨形成不全症」という病気を抱え、車椅子生活を送っていらっしゃる垣内社長、「強くて優しい」という言葉がぴったりな、素敵な方です。昨年は「ガイアの夜明け」(テレビ東京)でも取り上げられて話題になりました。
TEDx KYOTO でも講演されています!
障害を価値に変える「バリアバリュー」という考え方、それまでの自分に足りていなかった、大きな気づきをいただきました。
お話を伺いながら、わたしも視点が切り替わり「そういえば、車椅子でも鑑賞できる滝ってどのくらいあるんだろう?」と考えていました。会の終了後、垣内社長からも「車椅子で行ける滝スポットがあれば教えてください」とおっしゃっていただいて。
いくつかは思い当たったのですが、そもそも実際にわたしは車椅子の方と一緒に滝に行ったことがなく、坂道、階段の有無なんかはおぼろげな記憶で……。あらためて振り返って調べてみました。
滝というと山道の先にあるものというイメージが強いと思いますし、実際にバリアだらけとも言えるんですが、一方でバリアフリー対応の観光地としてアクセスが整備されている場所も、実はけっこう多いのです。「ハードルの低いアウトドア体験」というのは、わたしの考える滝のポテンシャルの一つでもあります。
そんなわけで、自分自身の記録やウェブ上の公開情報を調べる限りで、舗装された遊歩道があって、階段がなく、「ここは車椅子で鑑賞できそう!」というおススメの滝をリストアップしてみました。
(とはいえ、自分で実際に車椅子を動かしてみたわけではないため、スロープの斜度の程度問題などがわからないところがあるのですが…)
まずは日本三名瀑!
いずれも、車椅子での鑑賞方法がありました。
●那智の滝(和歌山県)
落差133mの圧倒的な存在感、信仰の対象にもなっている御神体の滝です。石段を下る通常ルートの他に、実は車椅子専用の道があります。入口の手前左側、タクシー・バスの待機場になっている場所の奥に、「車椅子の方はこちら」と書かれたゲートがあり、インターフォンを鳴らすと係の方が来て開けてもらえます。そこからスロープを進んでいくと、ちょうど滝前の観瀑台に出ます。ただし「車椅子での境内の移動にはサポートが必要です」とのこと。
●華厳の滝(栃木県)
奥日光の名所です。車椅子の場合は、地上のスロープの先に進むと、上の写真のように少し見下ろす形になる観瀑台から眺めることができます(無料)。正面で観瀑する用に有料のエレベータがありますが、こちらは車椅子で乗ること自体は可能であるものの、その先のトンネルの地下道内に階段があるため先に進むのは難しいです。
●袋田の滝(茨城県)
トンネルを抜けた観瀑台は迫力がありオススメ。エレベータ上の新観瀑台も車椅子可能ですが少し木が邪魔に見えるかもしれません。デッキに登るのは階段のため車椅子は不可。また、トンネル前の急勾配の坂が難所かもしれないので、介助はあった方がよさそうな感じ。車椅子の貸し出しもあります。
次に、全国で代表的な滝「日本の滝百選」の中で、車椅子鑑賞に適した滝を選んでみました。
●アシリベツの滝(北海道)
国営滝野すずらん公園内にあるのですが、この公園自体がバリアフリーに力を入れており、電動カートの貸し出しもありますので広い園内の散策もしやすいと思われます。他に同じ園内にある鱒見の滝(↓)も、近くまで行けます。
●真名井の滝(宮崎県)
神話の里、高千穂峡に注ぐ幽玄な滝。バリアフリー展望台ができて滝をゆっくり眺めやすくなったそうです。
●原尻の滝(大分県)
「東洋のナイヤガラ」とも呼ばれる、大迫力の滝。滝の上の道を通ることもできます。道の駅が隣接しているので、設備は充実。
●震動の滝(大分県)
九重”夢”大吊橋の上から見られます。幅が広い吊り橋のため、車椅子でも離合できるとのこと。車椅子の貸し出しもあります。
●大川の滝(鹿児島県・屋久島)
意外なところでは、屋久島でも。わたしも大好きな迫力ある名瀑です。駐車場からの距離も近く、滝のすぐそばまで近寄れます。
…と、まずは、こんな感じです。ちなみに、ここまでリストアップした滝については、いずれも多機能トイレが駐車場か付近の施設に設置されています。
今回、まずは日本の滝百選について調べてみたのですが、「介助があれば行けそう」「遠景・一部は見られそう」というものを含めると、100の滝のうち30くらいは当てはまりそうでした。
百選以外の滝で、全国に車椅子で鑑賞できる滝は他にまだまだありますので、引き続きわたしも調べていきたいと思います。せっかく整備されている場所があるとしたら、その情報はより多くの方に知っていただきたいです。
新たな視点を持つことの大切さ、きっかけをいただいたことに感謝です!
これまでの「滝のポテンシャル」コラムシリーズ
滝と癒しについて【滝のポテンシャル・その1】
趣味としての滝めぐりについて【滝のポテンシャル・その2】
歴史好きなら滝がもっと面白い【滝のポテンシャル・その3】
都会の滝!東京のホテル庭園滝【滝のポテンシャル・その4】
滝&ジオ!地学に滝で親しもう【滝のポテンシャル・その5】
徳島県のかずら橋近くの滝は車椅子でもすぐ近くまで行けて滝の水しぶきにもあたることが出来マイナスイオンのシャワーあぴれます。
情報ありがとうございます! 琵琶の滝でしょうか! 大学時代に訪ねたきりなのでまたいつか行ってみたいと思います^^
栃木県那須烏山市、龍門の滝。
メインの資料館がある入り口ではなく、東側の龍門の滝公園の駐車場へ車を止めれば
川沿いに芝生と細かい砂利に分かれたくフラットな並木道を通れます。
駐車場から滝壺迄100メートル弱。
車いすでも、飛沫が掛かるくらい近くに行けます。
コメントありがとうございます!確かにそうですね、龍門の滝は東側は平坦ですね! 情報をいただき、ありがとうございました!