今年初の、滝めぐり旅。
行き先は、日光にしました。日光四十八滝といわれるほど、たくさんの滝があるのですが、冬の日光は初めてだったのです。滝はそれぞれバラエティに富んでいるので、冬はどうなっているんだろう、と興味しんしんだったのです。

さて、まず日光の滝のなかで最も有名なのは、やっぱりここ!関東近郊の方なら、一度は訪れた、という人も多いはず。和歌山県の「那智の滝」茨城県の「袋田の滝」とともに「日本の三大名瀑」です。

●華厳の滝・けごんのたき●
栃木県日光市中宮祠。上流にある中禅寺湖が水源で、大谷川から落ちる落差97mの直瀑。和歌山県・那智の滝、茨城県・袋田の滝と共に「日本三大名瀑」とされる。国の名勝、日本の滝100選。有料のエレベーター(大人530円)で滝の正面まで降りられる。明智平ロープウェイ展望台からは中禅寺湖とともに遠望できる。
2014/1/13

DSC_0156

どーん!やっぱり、冬も風格ありました!

無料の観瀑台もありますが、少しでも近寄りたいので、エレベーター乗車。
陽が当たると虹が出るかもだったのですが、今回はスケジュール上、夕方近くで訪れました。山のむこうに陽が沈んでしまったので、極寒度がますますアップ。ごうごうという風が、聞こえてくるようですよね。華やかであり、厳しくもある。そんな自然の摂理を感じながら、しばし眺めます。

あらためて。
華厳の滝は、なんというか、やっぱりスターですね!

国民的スターは、どうしても絵になっちゃう。

まず、本人(滝だけど)の資質。水量豊富(毎秒0.7トン!)で、力強くて、まっすぐな流身が表す気高さがいい。

大きな奇岩の壁に囲まれたステージもなかなか。柱状節理好きにはたまりません。
DSC_0155

今回は雪景色ですが、新緑、紅葉など四季折々に豪華なステージチェンジがあり、時間と日光の具合よっては、虹の演出も。そうそう、新緑の時期は、イワツバメも飛び交っていたりして、生き物も華を添えるのです。

滝の中段からは、十二滝と呼ばれる簾状の滝(わたしの好きな地下水が染み出る「潜流瀑」!)が落ちているのですが、それらがまたバックダンサーのように中央の滝を引き立てています。今回は、巨大なつららとなって、スターを彩っていました。やるなぁ。
DSC_0137

エレベータの観瀑台が「アリーナ席」だとしたら、3階席(ロープウェイ上の展望台からの眺めのことw)から観ても、さらに迫力が伝わっちゃうのが凄い(写真はwikiより)。

top2

華厳の滝は、滝界最強の「センター」と言えましょう!

スターには、人を集める力があります。
地元が観光に力を入れるのも当然のこと。華厳の滝は、観光滝のさきがけでもありました。明治には滝の前に茶屋ができ、 エレベーターができたのは、なんと昭和5年だとか。80年以上前! 滝グッズもめっちゃ多いです。ご当地キティちゃんもあります(ご当地キティが滝とコラボしてるのは、華厳と養老(岐阜)だけだと思います)

わたしは滝を商業化しないでほしい、とは思っていないのですが、でも、華厳の滝のこういう「ハード面」だけじゃなくて、せっかくなら、「ソフト面」もあわせて推してほしい、というのがイチ滝ファンの思いです。

たとえば、
「なんで “華厳” なの?」
「明治時代の人は、どんな風に滝を楽しんでいたの?」
「華厳の滝って昔と形が変わったって本当?」

などなど、スターのストーリーを何かしらひとつ知るだけでも、観に来た人にとっては「写真撮った、すごかった」の経験は、より深く愛着を伴って、刻まれると思うのです。

信仰とのつながり、歴史風土、生き物や地形。
滝にまつわるストーリーを、もっとわたしもお伝えしていきたいなあ、と思います。

大スターとツーショ。照れ気味。
DSC_0170_01