名瀑シリーズ、4つめは、茨城県の袋田の滝です。

東京から日帰り圏ですし、観光地としてとても有名なので、訪れたことのある人も多いかも。那智の滝、華厳の滝とならび、日本三名瀑のひとつとされています。ほかの2つはまっすぐに激しく落ちる直瀑ですが、こちらは奥行きも幅もある、また違った意味でダイナミックな滝です。

名瀑セレクション・4

●袋田の滝・ふくろだのたき●
茨城県大子町袋田。久慈川の支流・滝川にかかる落差120m、幅73mの滝。日本三名瀑のひとつ。日本の滝100選では、人気投票第1位。トンネルの先にふたつの観瀑台がある。トンネル入場料は、大人300円、中学生以下150円。
来訪日:2008/5(初回)

振り返ってみると、頻度としては、かなり来てた! というのも、この滝は、実にさまざまな楽しみ方があるからでした。袋田さんは、何度来ても味わい深い、懐のふかーい方。楽しみ方のバリエーションを、ここではご紹介していこうと思います。

【袋田さんの楽しみ方・1】四季折々の変化を楽しむ

西行法師が「四季に一度ずつ来てみなければ本当の良さはわからない」と語ったとされることから、袋田の滝は、別名「四度(よど)の滝」とも言われています。来るたびドラスティックに印象が変化するのが特徴です。

わたしは過去には、春と冬に訪れたことがあります。

春はこちら。新緑と白のコントラスト!th_DSC_0935

冬は雪と氷の世界。これがまた格別。th_DSC_0643

滝って、凍った部分は「止まる」ってことなんですよね。色だけじゃなく、静と動のバランスが変わっていく面白さを味わえます。今度は紅葉の季節に行ってみたいです。

※紅葉と氷漠の季節はとても混雑するので、訪れる時間にはご注意を!

【袋田さんの楽しみ方・2】 4段の流れのバリエーションを楽しむ

「四度の滝」はもうひとつ由来が伝えられていて、「滝川が4段に岩肌を落ちることから名づけられた」という説もあります。確かにその通りで、ダイナミックな緩急を繰り返しながら、ひとつの滝になっているのが、袋田の滝です。

ひとつの滝で、これだけいろんな「流れ」が見られることってあまりありません。

滝を観るとき、よく私は「人」に例えるのですが(たとえば、優しい母みたいな、仙人みたいな、など)ここの滝は、ひとりというよりは「チーム」というかんじ。それぞれの流れが個性を持っている。さまざまなテンポで輝きを放ちながら、それが見事に調和して響き合い、さいごには滝壺へ集まってゆるりと流れていくのです。

自然のオーケストラが奏でる交響曲というイメージ……五感をひらいて、それぞれの楽章の心地よさに酔いしれることができます。

写真を撮るにしても、フレームの取り方で印象がずいぶん違ってきます!

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…と、長くなってしまったので、残りは後篇に…(*^^*)