名瀑セレクション、その3。ゆる滝ばかり巡っていたわたしにとって、初めてのガチ滝!という思い出の滝です。
【名瀑セレクション3】
●北精進ヶ滝・きたしょうじがたき●
山梨県北杜市武川町黒澤にある石空川(いしうとろがわ)に懸かる滝。落差121m。日本の滝100選。直下に九段の滝が続いて、さらに下流にも一の滝、二の滝、三の滝など複数の滝が続き、それら石空川渓谷と呼ばれる。駐車場から30分ほどで観瀑台、滝元へは、さらに1時間ほど。
来訪日:2008/11
「ガチ滝」、ガチ(本気)な山登りや沢登りを経て、たどり着ける滝のことを、わたしが勝手にこう呼んでいます。普段はひとりでも、女子だけでも楽しめる「ゆる滝」を中心に巡っているのですが、もちろんガチ滝のほうも、行けるものなら、行きたいのです!たどり着くのが困難であればあるほど、自然ありのままの姿に出会えるはずですし… ただ、山についての知識は不足しているので単独ではやはり危険!どなたか頼もしい滝ガイドさんがついてくださればなぁ…
そんなことを思っていたら、このときは素敵なご縁で、頼もしいガイドがついてくださったのです。
女性のグラビアで著名な大御所カメラマンOさんが、滝の撮影にハマっていらっしゃると。わたしの滝好きぶりを知っていた友人の編集者さんが、Oさんにご紹介してくださいました。で、なぜか、そのOさんの撮影ツアーにちゃっかり同行させていただくことになったのでした。ラッキー!
行き先の北精進ヶ滝は、滝マニアの間でも特にファンが多いという滝です。
まずは、駐車場からいくつかの滝を過ぎて。
これからあの滝のふもとまで行く…と思うとワクワクしてきます。
ここからははっきりとした道などはなく、靴を脱いで沢を渡ったり、ロープを掛けて崖をよじ登ったりするのですが、Oさんの的確なリードのおかげで、なんとかクリア!当時50代後半だったはずのOさん、すっごい頼もしい!かっこいい!
わたしも心配していた体力不足はそれほど問題なし。普段、運動嫌いなんですが、全然、疲れないのです、不思議と。あの滝が、待っていてくれるんだ、と焦がれる気持ちがあるからなのでした。
そして、1時間ほど。ついに、滝元に到着!
わーーーはーーー
そびえ立つ岸壁に隔離されたそこは、わたしが暮らしている周りの自然とは明らかに違う、原始の空気が濃く漂う場所でした!この写真じゃ、伝わらないかなー…
シダが生い茂り、ワイルドに大岩がゴロンゴロン転がっています。そこに目の前の岸壁のてっぺんから100m以上を音を立てて落ちてくる滝。太古の時代から、途切れることなく落ち続けているのだ……と、タイムスリップしたような気分になります。
Oさんはじっくり撮影をされていました。わたしは、その間ただ、飛沫を浴びながら呆然としていた気がします。自然のカオスに飲み込まれて、 時間も忘れてしまうような不思議な感覚でした。
帰り道は、Oさんから「滝とエロス」について、話を聞いていました。女性のヌードを撮るときと、滝を撮るときの共通点……。このお話を聞いて以来、ますます滝がエロチックに見えてきまして、さらに滝の魅力にハマりこんでいくのでした。
ガチ滝はしばらく行けていないのですが、久しぶりにムクムクと行きたい気持ちが沸き起こっています。西表島か、屋久島か……ジャングルトレッキングのガイドをお願いして滝めぐりにいってこようかな、と思っています。