八幡平の続きです!

前回:七滝・岩手県【紅葉の八幡平!岩手山登山道の元気滝】

今回、滝のご紹介はないので、「番外編」扱いですが、せっかくタイミングばっちりの八幡平を訪れたので、絶景ドライブコース、八幡平アスピーテラインの様子と、この時立ち寄った紅葉スポットの後生掛温泉についても、載せておきたいと思います。

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八幡平アスピーテラインとは、岩手県八幡平市から秋田県鹿角市に至るまで八幡平を横断する全長27kmの景勝道路です。訪れた10月上旬は、まさに紅葉絶好調。標高1614mの頂上付近については紅葉は終わってしまっていましたが、中腹からは見事な紅葉ドライブを楽しむことができます。

頂上付近だけ少し渋滞があったけど、それ以外は順調〜

外国人旅行客のみなさんも、こぞって撮影しています。

頂上付近に近づいてくると、彩りが減ってきまして…

もこもこの森が絨毯のように眼下に広がっていて、圧巻です〜。

秋田県側に入りますと、「ババヘラ」! アイスクリームのおばあちゃんが登場です!

「ババ」が「ヘラ」を使って盛ってくれるアイスのことです。バラみたいな形にしてくれるらしい! ババヘラは秋田の名物なので、秋田県に入ったんだなあ、という実感があります。せっかくなら食べればよかった!

そして、やってきました後生掛(ごしょがけ)温泉

温泉宿の近くに後生掛自然研究路が整備されていて紅葉の名所と聞いて立ち寄ったのですが、ここが予想以上にとっても面白かった!!

というのも…

地元の八幡平中学校の生徒さんたちがボランティアガイドをしてくださるという特別な日だったのです!

せっかくなので、私もガイドをお願いすることに! 40分ほどのコース。

男子二人、女子二人のチームにご案内いただきました。みんな、学年はバラバラです。このボランティア、中学校の全員参加行事なんですって。

一人ずつ担当の案内場所があって、ちゃんと暗記してきた内容をお話ししてくれます。大きな声でハキハキ喋ってくれて、もうなんだか可愛くて、ニコニコうなづきながら聞きました。

最初のガイドスポットが「オナメ・モトメ」と呼ばれる泉でした。

グレーの泥が湯気をあげながらブクブク噴き出してきています。温度は90℃以上だとか。

「オナメ・モトメ」ってどういう意味かしらん…と思っていたら、生徒さんたちがこの場所にまつわる伝説を手作り紙芝居で説明してくれました。

ファンシーなまんがで描かれてるんですけど、内容はけっこう悲惨なんですよ…! 

地方の方言で、モトメは本妻、オナメは妾だったそうです。岩手の三陸のある村の男がこの地獄谷の近くで怪我してしまったところを娘に助けてもらって、妻子ある身なのにその娘と仲良くなってしまった…と。後に本妻が探し訪ねてきてど修羅場になった挙句、結局娘の方がこの噴泉に飛び込み自害。妻も責任を感じて追いかけて「後生を掛けて(来世の幸福を願って)」飛び込んだのだそう。ここから「後生掛」の名前が来てるんですね。

なかなかに暗い話ですが、中学生の読み上げる可愛らしい声&イラストと内容のギャップが…実に印象的でした。

お次は、泥湯のたまった「紺屋地獄」。水の色が紺色で染物を染める釜のように見えることからこの名前が付きました。

こちらは、小坊主地獄。

コンクリート工事現場の途中みたいだけど…これが自然にできた景色だと思うと驚きです。遊歩道からすぐ近くだからボコボコ音も聞こえる。青空や紅葉とのコントラストも鮮やかです。

さらに先へ進むと…
「あの丘の上を見てください!」と。

??

十字架?

まさかこれも自然の仕業? と思ったのですが、これは人間が建てたものですって。後生掛温泉を開湯した阿部仁八さんという方が、キリスト教の信者さんで、1949年にザビエル来日400年を記念して十字架を建てたのだとか。キリスト教にも繋がりがあるなんて、ちょっと意外な感じです。

そして、一番の見どころにやって来ました。「大湯沼」です。

手前にはマッドポット(泥温泉)や泥火山がたくさん集まっていて…

奥の沼は青白く輝いてみえます☆ 

少し先の展望台から眺めるとこんな感じ。

沼は今も広がり続けていて、以前は遊歩道があったところも沼が広がって通れなくなっているのだとか。その証拠に、沼の奥の方にかつて案内看板だった部分の木枠だけ残っているのが見えました。

帰り道には、研究路の途中にあった「しゃぐなげ茶屋」という売店で、オススメしていただいた名物の黒玉子を購入。温泉卵になっています!

「この地方でオススメのお土産は?」と尋ねたら、「やっぱりいぶりがっこですね」とのことだったので、ここでちゃんと買っておきましたよ☆ いぶりがっこ、おいしいよね!

というわけで、後生掛、予想以上の楽しさでした!  満喫です。

紅葉も見事すぎたし、中学生の皆さんのわかりやすいガイドのおかげで後生掛の面白さもよくわかったし、それに加えてみんなとの雑談も楽しかった! 

「どちらからいらしたんですか」から始まり、「カメラがご趣味ですか」とか、「泥温泉は美肌効果があるんですよ!」とか、こちらにちゃんと話題を率先して広げてくださるもんだから、わたしも嬉しくなっちゃう。初めて会った人ともお話ができるスキルって、きっとこれからも役立つだろうと思いますし、何より地元のことを語れるようになるって、素晴らしいですよね。

みなさん、ありがとうございました!

オススメいただいた温泉もちゃんと入ってきましたよ。確かにとっても良かった! あのマッドポットから引いてきている泥温泉ということだから、成分が濃いんでしょうね。本当にしっとりツルツルになりました。

こちらのボランティアガイド、毎年恒例の行事とのことなので、オススメです☆

後生掛温泉の少し先にある紅葉スポット「大沼」でも同じように、中学生のボランティアガイドが行われていたとのこと。わたしが訪ねた時には、もうそちらのガイドチームは解散してしまった後だったんですが、午後の日差しに輝く大沼の紅葉も素晴らしいものでした! 

湖面に映り込む紅葉…!

ちなみに実は、中学生のみんなにも別に聞かれてないのに「わたしね、滝に行くのが趣味でね」とカミングアウトしてまして(笑)、さらに「みんなは滝には行かないの? 近くの滝って行ったことある?」と尋ねてみたのですが、「行ったことないです…」とのお返事。

ええ〜。そうか、滝は地元でもあんまりメジャーじゃないんだなあ。

でもね、近くにすっごく素敵な滝があったんですよ。地元の子たちもあんまり知らないということは、きっと穴場なんです。

その滝のレポートはまた、次回!