この春プレオープンした「滝のリトリート」に対してのわたしの考えなど、こちらのブログでまとめてきています。

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前回のコラムでは、わたしが「滝のリトリート」をはじめた理由として、わたし自身の実体験がもとになっていること、滝には普遍的な癒しの力があるということを書きました。

今回は、滝の癒しの力が実際にどういうものなのか、わたしなりの考え方をお伝えできればと思います。

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滝と癒しの関係

「滝の癒し」と聞いて、まず一般的にイメージされるのが「マイナスイオン」ではないでしょうか。

水が岩などに激しくぶつかって粉砕される際、空気分子からプラスの電気が奪われてマイナスに帯電する現象があり(これは「レナード効果」と呼ばれます)、滝の周囲にはマイナスイオンが多く発生しているため、それが人体に皮膚から取り込まれたときに良い影響を及ぼす…というもの。ただし、医学的エビデンスとしてはまだ研究が足りていない、という意見もあります。

滝のマイナスイオンのことは、こちらのオカムラさんのウェブサイトが特にわかりやすく解説されていると思いますので、ご興味ある方はどうぞ読んでみてください!

http://acorn.okamura.co.jp/topics/column/2018/09/26/ion/

マイナスイオンについては医学的に健康との関連性がはっきりと検証されていないにしても、実際に滝の前にお連れしたら誰もが「気持ちいい!」と感じてくださっているはずです。

たとえば、滝の音。滝の落下音って、あれだけの大きな音なのに、不思議とうるさく感じたり不快になったりすることはないんですよね。わたしはいつも、耳に手をあてて滝の音をだけをじっくり聴いています。すると心と体が自然のリズムに溶け込んでいくような、心地よくも不思議な感覚になるのです。

これは、自然の水の流れが「1/f ゆらぎ」という人間が最もリラックスできる周波数を持っているから。こちらは科学的にも心身のリラクゼーションの効果が証明されています。わたしたちが母親の子宮にいるときに聞いていた胎内音も「1/f ゆらぎ」だそうですし、人間の身体は水分が60%~70%ともいわれているので、そこに共鳴しているのかもしれませんね。

また他にも、滝の周囲はだいたい森林になっていますから、滝までの道中含めて森林浴の効果もしっかり享受できます。樹木が発する揮発性の殺菌成分「フィトンチッド」には、人の副交感神経を優位にして精神を安定させ、解放感、疲労回復、ストレスの解消などをもたらす効果があるといわれています。

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「滝」に凝縮される地球の営み

でも、滝が与えてくれる癒しというのは、こうした身体に対する科学的な影響だけでは説明できないと思っています。

滝には、地球の営みが凝縮されているからです。

まず、滝となって落ちる「水」のこと。

地球は「水の惑星」です。雨が降って川になり、それが海に流れて雲になる…このサイクルが永遠に繰り返されているわけですが、滝というのはそのサイクルの中でいうと、水自身がもっともエネルギーを発している瞬間、ハイライトではないかと思います。歌でたとえるなら「サビ」のパートでしょうか。繊細さも、力強さも、そこには詰まっています。水が「水ですよ!」と主張している部分。

だからこそ滝を前にしたとき、わたしはいつも「水への感謝」が湧いてきます。

24時間年中無休で流れ続けている水がそこにある。水は常に循環している。水があるから、この美しい地球で暮らせているのだなあ…と。日本はインフラが整っていますから、水に関して困ることがなく普段はあまり意識しないと思います。滝を眺めていると、この当たり前の恵みに気づかされるのです。

一定のリズムで落下する水は地球の「重力」を示してくれていますし、水量や凍結など、季節によって変化する滝の様子は地球という惑星の「周期」を表しています。滝の飛沫が太陽の光を浴びて虹をまとう姿も、この世界を彩っている「光」の仕組みを教えてくれます。

滝が落ちている岩も、地球の「歴史」そのものです。火山の溶岩からできた岩、海底の生物が堆積してできた岩。そこに何千年何万年と水が流れ続けることでヒビが入ったり、削り取られたりしながら、いまの滝の形になっている…。

滝をモチーフに長年作品を描かれてきた日本画家の千住博さんは、「滝は地球だ」という言葉で表していらっしゃいましたが、本当にその通りだなと思うのです。どんな滝であってもそれぞれに、地球の営み、奇跡的な地球という星のあり方を象徴的に表してくれています。

「美しい」「心地いい」という感動のその先に、地球ってすごいな、そこに暮らせる人間ってありがたいな、と思えるようになってくる。日頃のわたしたちとはまったく違うスケールにいったん連れていってもらうことで、物事の捉え方の視点が変わります。何かそのとき悩み事があったとしても、大切なことを思い出したり、現実的な解決策が見えてくることもよくあるんですね。

滝を前にして、自分の意識が地球規模に切り替わること。

それは、地球に住む人間としての謙虚さを取り戻していく、ということ。

これって実は、何よりもわたしたちの癒しにつながるんじゃないでしょうか。そこに、特別な宗教性はなくてもいいと思います。山奥の滝まで頑張って行かなくても、滝に打たれなくてもいい。わたし自身は「滝でどのように過ごすか、滝とどのような気持ちで向き合うか」という意識を大切にしています。

これからはじめる「滝のリトリート」では、こんな話もみなさんと対話しながら共有していけたら、すごく嬉しいなと思います!

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次回のコラムでは、もう少し具体的に、わたしが実践している滝のリトリートメソッドの概要をご紹介していきたいと思います。

よろしければ、また読んでください!

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