6月22〜23日に、三重県大杉町の大杉谷に行ってきました!前編はこちら。

大杉谷の滝登山ツアー【前編:千尋滝〜シシ淵〜ニコニコ滝】

山小屋の桃の木山の家に到着しました。

滝ガールは山ガールというわけではないので、登山の途中での山小屋泊はほとんど経験がありません。ドキドキワクワク。

できたのは昭和15年ということなので、歴史ある山小屋です。ちなみに桃の木小屋の名前の由来は、創建当時ここに建っていた「トリモチ小屋」から来ているのだそう。トリモチっていうと、ベタベタして鳥とかを捕まえるやつですよね。

(桃の木も植えてありました!)

山小屋のイメージとはずいぶん違って、かなり快適な滞在でした!

特にありがたかったのが、薪で炊いたお風呂に入れることでした!かなり疲れがリセットされます。温泉ではありませんが綺麗な川の水を引いてきて沸かしていただいているからか、軟らかいお湯で体がじんわりとほぐれました。

すぐそばの川音を聴きながらの滞在です。

この量のご飯、余裕でぺろりでした!

翌日の行程を地図を見せてもらって予習します!といってもこれは災害前の古い地図なので、2004年の豪雨災害によって出現した「崩壊地」の案内などは入っていないんです。

2004年の豪雨による土砂崩れがいかにすごいものだったかという話もスタッフの方からいろいろと伺いました。大杉谷に向かう宮川沿いの県道53号線(通ってきた道です)も、その当時はこんな状態だったとか。2mくらいの高さが土砂に埋まっています…

こちらは古い絵地図です。たぶん江戸時代のものだったと思う。前回のブログも書いたけど、大杉谷は伊勢神宮の遷宮の際に御用材を切り出すための御杣山だったから、こんなに険しいのにも関わらず人々が入っていたということなんですね。

みんなであれこれおしゃべりをしながらビール1本を飲んだら…あっという間に眠気が襲ってきました。

で、8時間半爆睡です!川音に包まれると本当によく眠れるんですよねぇ。

ということで、元気いっぱいに2日目のスタート。

ここからは、桃の木小屋のコンちゃんにもガイドに加わっていただきました!

この日も雨が心配だったものの、まだギリギリ大丈夫。ただ、午後からは危ないかも…ということで、ちょっと急ぎ目に進みつつ、午前中は行けるところまで行ってから引き返そう、ということになりました。

1日目に引き続き、岩をくり抜いて作られた登山道を進みます。

相変わらず、エメラルドグリーンの渓谷に癒されますよ〜!

小屋出発から30分ほどであずまやが見えてきました!

さあいよいよ、こちらが念願の…!

日本の滝百選にも選ばれている七ツ釜滝です!

やっと会えた〜!日本の滝百選の中でもなかなか訪れにくかった滝だったのです。

7段の滝と滝壷が連続して落ちてきます。ちなみに、見えているのは下の3段だけとのこと。落差は合計80mとのことです。

この日は水量はそんなに多くなかったですが、増水するとこんな感じだそうで…とんでもないですねぇ…!

動画でもどうぞ!

滝ガールとツーショットで!我ながら達成感があって嬉しそうですね。

ここから少し先に進み、コンちゃんさんに滝の上の段の方まで連れていってもらいました。

ちょっとルートからは外れるのですが、ここが七ツ釜滝の上流です!美しいなあ…。

滝の上流はひらけていて、とても穏やか。

美しく輝く淵では、お魚ちゃんたちが泳いでいました。はあ…癒される!

そして、これが一つ目の釜ということです!

こ、怖い!のでここまでがギリギリです。高さが伝わりますでしょうか?

おかげさまで七ツ釜滝のスケールを感じることができました!

ここからガイドの野田さんと参加者のお一人とが、一旦別行動です(前日足をつってしまっていたので、無理せずゆっくりと下山することに)。

わたしともう一人の参加者のOさんと、山小屋のコンちゃんとで、先の滝を目指しました。

Oさんは「苔ガール」なんです。苔のガイドツアーとかにも参加しているくらい、ハマっているそうで、大杉谷は苔目線でもすごく素晴らしいところなんですって。道中、いい感じの苔を見つけると「あっ!」と注目していました。わたしが滝を見つけた時と同じような反応で、ものすごく共感できます!

苔以外でも、いろんな植物を愛でるのも楽しかったです。

渓谷にハッとする彩りを加えてくださっていたのはイワサツキ。岩の割れ目でよく育つなぁと感心してしまいます…!

苔がワサワサあるおかげで、苔の上にもタツナミソウが。とってもキュート。

コアジサイも可愛いね!

途中で小雨が降ってきたのですが、そのおかげでこんな蜘蛛の巣アートも見られましたよ。

さて…

やってきました、ここが「崩壊地」。巨岩が積み重なっています。

ゴロンゴロンの大岩たちが行く手を塞いでますね…

昔はこんな感じの景色だったそうです。山が崩れる、ってどういうことなのか…大災害のスケールが伝わってきます。

この岩をどけて再び道を作るのは難しいでしょう。それならもうここを登山道としてしまえばよいのでは、ということで岩登りのルートが開発されたそうです。

赤ペンキがつけられているので、迷うことはなさそう。岩をガシガシ登って行きます。

岩を登り切ったらこんな風景。なんと岩の上にはすでに植物が生えてきているんです。なんとたくましい…。泣ける…。

この時、コンちゃんさんからは植物の遷移、パイオニアとなる木の話などを聞いているのですが…

ん…?

あの、ちょっとちょっと、奥の方にもう見えてますよね!

チラッと!滝がっ!

滝が見えてくると滝ガールはそちらに目を取られてしまって。さ、さ、行きましょ!

崩壊地の岩山から降りると広い砂地。そこに巨大な大岩がありました。

その傍らには、サワグルミの老木。

このサワグルミは、この巨石の陰にあったことで川の濁流に巻き込まれることなく、生き残ったのだそうです。運が良かったからこそ、ポツーンと取り残されています。生命力を感じますが、ほかの仲間たちがいなくて、ちょっと寂しそうでもありました。

そして…やってまいりました!

先ほどチラ見せしてくれていた、光滝です!

看板があるところからはまだ遠いんですが… ここから降りて行きます!

見えてきました!おおお!

落差は40m、幅も結構広くて、山肌を滑り降りてくるような滝です。

…なんですが、近づくのは少しお預け。先にもう一つ奥の滝を見てきましたよ。

隠滝です!

ここは吊り橋から眺めるスタイル。落差は15mほどですが、滝つぼはかなり深そう。流れの向きがここで直角に変わるんですね。

こちらが先ほどの光滝の上部。落ち口になります!

本当はこの奥の堂倉滝まで行きたいところだったのですが、この日のお天気と帰りの行程を考えるとちょっと厳しそう。堂倉滝はまた次のお楽しみに取っておくことにしました。

というわけで、代わりに先ほどの光滝の滝つぼまでアタック!

岩をヨジヨジと越えて行くと…

どーーーん。

めっちゃ、かっこいい〜!

やっぱり間近で見ると迫力が違いますし、何よりディテールがよく見えるのでじっくり味わえます。

ここでは同行のお二人に滝ガール流の鑑賞法をレクチャーしました!

細かく滝の表情を見ていきます。よく見ると、左側と右側で流れが二つあって、夫婦滝っぽくもありました。

わたしが気に入ったのは、ここ!

遠望だとわかりにくいけど、滑り台状になった途中のところで、ワッシャワッシャと跳ねているんですよ。これを滝用語では「ひょんぐり」と言います!

動画でもどうぞ!

大杉谷の滝の中で最も接近できたのが光滝なので、やっぱり嬉しいですね。

光滝まで堪能できたわたしたち。ここから急ぎめで小屋まで戻りました。

小屋に戻るとお昼を用意してくださっています。大好物のちまき!ありがたい!

軽く休憩したら、再びスタートです。

シシ淵のところで、先行チームと合流することができました!

ここで桃の木小屋のコンちゃんとはお別れでした。山小屋にはケータイの電波が飛んでないので、「滝ガールのブログ、山を降りた時に見ますね」と言ってくれてました! 2ヶ月もレポートが遅れちゃってごめんなさい!

ありがとうございました!

さて…ここからの帰路なんですけども。だんだん雨も降ってきまして。

雨が降ってくると、この季節は…アイツがね…ルンルンしてきちゃうんですよ。

…ヤマビルです。ここまでの道中で雨が降らなかったことがラッキーなんですが、帰りの道で何匹か遭遇してしまいました。でもヤマビルファイターも持っていましたし、誰も吸血の被害には遭わずに帰ってこれましたけどね!よかったよかった。

とりあえずヤマビルもいるしみんな早く帰りたくて…帰りはのんびりというよりはかなりのハイスピードでスタスタと歩いてきました。そんなわけで必死だったので写真はありません(笑)。

いやあ、みんな頑張りました!

念願の大杉谷、ケガなく無事に帰ってこられて何よりでしたよ。

ガイドの野田さん、ありがとうございました!(帰りの運転も!)

そうそう、大杉谷からの帰り道には、六十尋滝にも立ち寄ってもらいました。ここは駐車場から2分ほどで見られる滝ということで、仕上げの滝!って感じですね。

整備された遊歩道を進むと見えてきます!

こちらです!

めっちゃ立派な直瀑ですよ〜!気軽に行ける滝でもこんなにいい滝があるんだなあ。大杉谷まで行かない時でも宮川まで来た時はマストで訪れたい滝ですね。

一泊二日のツアーをご一緒したお二人と。なんだか息があったポーズでした☆

大満喫の大杉谷ツアーでございました!

今回の大杉谷のツアーの他にも奥伊勢のエリアでのいろんなアウトドアメニューがある、Verde大台ツーリズムさん。またお世話になることと思います!

ありがとうございました☆

Verde大台ツーリズム https://verde-odai.co.jp/