先月の滝ガール熊野旅、つづきです。

前回ご紹介した紀宝町役場さんでのツアーにあたっては、なんと1泊4日(深夜バス車中泊2回!)という強行スケジュールで行ってきました。本当はもっと前後でゆっくりしたかったんですが、仕事が忙しい時期だったので仕方なく。熊野を訪れるのには(特に新宮側は)なんだかんだで深夜バスが一番便利なのですよねぇ。

というわけで土曜日の早朝に到着してから、その日はまずは三重県熊野市育生町(和歌山県北山村との県境)へ。このあたりは初訪問でした。滝もたくさんあるエリアなんですが、今回は初心者編。誰でも訪れやすい、こちらの滝です。

今回もくまの・川遊び部の佐竹さんとご一緒に!

●雨滝・あめたき●
三重県熊野市育生町赤倉。北山川支流の尾川川にかかる。落差20mほど。日照りのときに近くの寺から釣鐘を滝つぼにつけ、雨乞いすることからこの名が付いた。アメノウオ伝説が残っている。駐車場から滝つぼまで徒歩3分ほど。
来訪日:2019/3/16

県道沿いの駐車場から、入口があります。ここを降りたらすぐ!

見えてきます!

本当に水が綺麗すぎて…!そうそう、これが熊野クオリティなんですよ!と、このへんから既に、はしゃぎ出すわたし。あまりに嬉しくて。

雨滝さん、ご対面です!

ここからさらに滝つぼに近づくために、いったん、対岸へ。佐竹さんから長靴をお借りしました。ありがとうございます!

回り込みます…

渡渉している最中も、水面の美しさに泣けてきていました。ホーゥ…。

前夜まで東京で仕事をしていたとは思えないくらい、急速に自然へと身体が溶け込んでいくようでした。深夜バスでの疲れも吹き飛びます。

いよいよ滝の目の前にやってきました!

落差20mほどの直瀑です!滝つぼに日が差して、エメラルドグリーンに輝いています。ちらりと虹も見えていました!何とも素敵…

るんるん、嬉しそうなわたしを、佐竹さんが撮影してくれました。

滝つぼから流れ出すナメ部分を慎重に渡って、滝の左側へ回ります。

光の当たり方が変わるとまた輝きも変わりました。えぐれた岩の感じも迫力がありますよね!

るんるんしすぎてそれまであんまり気にしていなかったのですが、実は風がすごい強くて、だんだん寒くなってきました。

そしたら、佐竹さんがお湯を沸かしてココアを入れてくれました。

ありがとうございます!

素晴らしい滝空間にしばし、浸りました。動画でもどうぞ!

帰り道、滝を背にした景色もこんな感じでキラキラ輝いていました。

お日様、どうもありがとう!

ちなみにこちらの雨滝、こんな伝説が残っているそうです。

—-その昔、雨滝の滝つぼに棲むという大アメノウオを、鵜を使って捕ろうとした2人の男がいました。鵜を放とうとすると一人の僧があらわれ、鵜を放つことを止めて欲しいと嘆願しました。2人は承諾し、お腹が空いたので粟飯の弁当を開あけ、僧にもご馳走しました。しかし、僧の姿が消えると2人は約束を破って鵜を放ったのです。すると滝壷の底から濁り水が大渦を巻き、ものすごい雷雨となったので、2人は怖くなって逃げ帰りました。翌日、滝壷には鵜と1mもの大アメノウオが死んで浮いていました。腹を裂くとなんと粟飯が入っていたのです。

アメノウオ、というのはアマゴのことですね。こんな伝説が残っているくらいですから、昔からこの清流にはアマゴがいっぱい泳いでいたんでしょう。

現在もこの滝の近くでは、アマゴの養殖をしている方がいらっしゃるということで、そちらにも佐竹さんの紹介で訪ねてきました。

赤倉水産の中平孝之さんです!

いけすの中には、立派なアマゴがたくさん泳いでいます。

中平さんから少しお話を聞かせてもらいました。おじいさまの代で始めた養殖業を引き継いで、借金返済のために販路を拡大、バブル崩壊後も近隣の宿への直販に切り替えて需要を維持したり、生産だけじゃなくて加工までやってから卸すなど、さまざまにご苦労を乗り越えて、続けてこられたそうです。熊野市観光協会会長も務めていらっしゃるし、本当にパワフル。

ここまで立派に続けていらしたアマゴの養殖も、後継者が見つからなければ廃業やむなし…というところだったのが、良いご縁があって、移住者の方で後継者が見つかったとのことでした!本当によかった!

熊野の清流の恵みで育ったアマゴ、これからも守られて育っていきますように。

ちなみに、この日わたしたちもアマゴを買わせていただいて、夜にみんなで焼いていただきました。フワッフワで甘くて、感動の美味しさでした。

中平さんは「山里民泊あかくら」という農家民泊もやっていらっしゃるそうなので、次は泊まりで、アマゴづくしのご飯をいただきたいと思います!

続きます!