長野の滝めぐり、続き。
高山村の滝を見た後、須坂まで出てきました。
ここまで来たら…と米子大瀑布へ行ってみることにしました。

行ってみたいな、と思っていた滝のひとつですが、実は訪問のベストタイミングとはいえません。紅葉シーズンは終わっているし、雨も真剣に降り出してきています。レインコートも持っていないし、靴もトレッキング用じゃないし…と少し迷いを持ちながらも、とりあえず行ってみよう!とくねくね林道を走ること、10km以上。やってきました。

●米子大瀑布・よなごだいばくふ●
長野県須坂市米子。根子岳と四阿山をそれぞれを源流に持つ、 落差85mの「不動滝」、落差75mの「権現滝」の、2つの滝の総称。日本の滝100選。大瀑布周辺には1周約1時間半の遊歩道が整備されている。
来訪日:2013/11/10

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駐車場にはわたし以外に、1台だけ。やっぱりそうよね… ここから、滝まで、軽いトレッキングです。いつもは人気のトレッキングコースだと思うのですが、時期を外しただけあって、この日は人の気配がありません。

でも、それも、よかったのかもしれません。
人がいなくて寂しいというより、むしろ落ち着きます。

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雨を含んでいっそう強くなる植物の甘い香り、土を踏みしめる自分の足音、息づかいを感じます。ひたすら、無心に。滝への道を「歩かせてもらっている」、そんな感じがあるのです。

途中、米子不動尊があります。

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ここが古くからの信仰の場所であったことがわかります。

そして、滝のひとつ、不動滝のふもとまでやってきました。

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天女さま!

出会ってすぐに、羽衣をまとった天女を想像しました。
幻想的に霞がかった空から、まさに「舞い降りるように」落ちている滝でした。相当の高さから落ちてくるのに、地に着くとき、ふわり、そっと優しく降り立っているのです。不動滝は女滝、納得です。

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この滝のふもとで過ごしているとき、不思議な、言葉にできない感動がありました。すごい雨降っているなかだったけど、そんなことも忘れるくらい。

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振り返ってみて、敢えていうなら、近いのは「ありがとう」でしょうか。自然にわき上がってくる、感謝の気持ち。ありがとうという言葉は、ふだんは、人へ使うものだと思っていますが、もっと大きなものに対して、ありがとう、という気持ちになれるんです。

しばらくしたら、この山に来ていたもう1組の方々がやってきました。
先ほどのわたしの写真だとわかりづらいかんじでしたが、これだけの落差の滝です、というのが分かりますでしょうか。

th_DSC_0883左下に小さく人が写っています。

遊歩道を少し進むと、もうひとつの滝、権現滝を眺められます。男滝ですね。遠望しか、できません。

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夫婦滝をふたつ揃って見られるという展望台にも、向かいました。まぁ、期待はしてなかったけど…

…。
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見事に、まっしろ!
遠くに落ちているであろう滝の音だけは、感じるんです。見えないものを、見る練習、かもしれません。(笑)

駐車場に帰って来たら、もうびしょびしょで、日も暮れはじめていて。でも、「見えなかったな」「疲れたな」とかはなくて、満足感のほうが高かったのでした。

わたしが、滝を追いかける理由は、完璧な姿を「見たい」だけじゃないんでした。