福井県の滝めぐり、勝山編の続きです。
ジオガイドさんといく半日滝ジオツアーをご紹介をしてきましたが…
前編:弁ヶ滝・福井県【恐竜渓谷でも滝!勝山でジオガイドツアー】
後編:御堂之滝・福井県【滝だけじゃない!勝山ジオサイトめぐり】
勝山市では一人で訪ねた滝もありました!
やってきたのは、北谷(きただに)町。
石川県との県境に近い山間エリアで、冬は豪雪地帯としても知られています。
山が深いだけあって、滝も、そりゃもちろんあるでしょう!
まずは、北谷に7つある集落のうちの、谷集落へ。
こちらにはちょっと変わったエピソードを持つ滝がいらっしゃいました。
●不動滝・ふどうたき●
福井県勝山市北谷町谷。落差約10m。滝に見られる地層は、恐竜化石が見つかる手取層群の地層。一向一揆の拠点となった谷城跡地の伊良神社から遊歩道5分。滝の側には勝山市指定文化財の「石像 不動明王像」も。
来訪日:2017/4/30
谷集落にはなにやら雰囲気のある神社がございまして…
神社の境内は、広場のようになっています。
気持ちいい場所!
広場の周囲のケヤキ群生は天然記念物なんですね。そして左の石柱には「谷城跡」と書いてあります。
谷城というのは、一向一揆の時に一揆衆が立てこもった城跡だそうです。
「一向一揆」って久しぶりに聞いた! むかし教科書で習ったなあ。当時は暗記するばっかりでよくわかってなかったけど、こういう場所があると、自然と好奇心が湧いてきます。勝山ってこの一揆勢力強くて平泉寺も破ったらしい。峠を越えて隣りあっている加賀の一揆衆とも繋がっていたそうです。
で、なぜここに立てこもっていたのかというと、三方が切り立っていて川が流れていることから、その川をせき止めることでお堀状態にすることができるから。天然の要塞というわけですね。
つまりある意味、ここに滝があることも、一向一揆に関係があったといえるかもしれませんね!
というわけで、滝に向かいます☆
神社から石畳の道を下っていきます。この石畳もずいぶん歴史がありそうな感じ。
途中には、一向一揆関連の伝説がある「うらみ石」もありました。
谷城が落ちたあと、一揆の頭で生き残っていた西脇惣左衛門を追ってきた織田信長方の統治者柴田義宣が、西脇に逃げられたと知って悔し紛れに切りつけたという岩だそうですよ。
へええ〜。
…と、戦国時代に思いを馳せていると、滝はすぐに見えてきました!
こちらです!!
朝の時間帯に訪れたので、ちょうど東向きだったようで、水しぶきがキラキラしています。集落のすぐ下なんですが、ここだけ別世界というかなんだかやっぱり神聖な雰囲気です。
落差は10m弱といったところですが、生き生きしてて、気持ちいい〜。
不動滝の名前の由来にもなっているわけですが、滝の側にはお不動様がいらっしゃいます。
勝山市指定文化財にもなっているそうです。刻まれている文字は1551年だそうですから、確かに歴史的にも貴重な石像です。荒れた感じもなく、集落のみなさまに大切に守られている印象でした。
それから、この滝のポイントがもう一つ。
この滝が流れている岩石って、恐竜時代の地層なんですって! 実は滝をあとにしてからガイドさんに聞いた話なんです。確かにこの付近には化石発掘場所がありましたしね。
恐竜時代の地層を落ちる滝っていうのは、超レアです。まさに、勝山ならでは! 滝の裏側に恐竜の化石が眠っているのかもしれない…と思うとソワソワしてきますねぇ。
戦国時代だけでなく、さらにどんどん遡って、恐竜時代にまで思いを馳せることができちゃう!という、ユニークな滝でしたよ。
もう一つ、北谷の滝をめぐりましたので、そちらもご紹介しますね。