愛媛の滝めぐり。
前回は新居浜市の滝をめぐりましたが…
記事はこちら 銚子の滝・愛媛県【地元で愛される新居浜の隠れ名瀑】
お次の滝は、東温市。
と、その前に、西条市の「うちぬき」にも立ち寄りましたよ。
日本有数の湧水のまち、西条。まちなかに地下水が自噴する場所「うちぬき」がいくつも点在しているのですが、生活に根付いた水風景、めっちゃなごみました。
水はまろやかでやさしいお味。コーヒーもやはりお水が違うから美味しい!
このエリアの皆さん、水道代(上水道)はタダなんですって。こんな美味しいお水が、タダ。すごいですよね〜!
わたしもお水をペットボトルにたっぷり汲んで、滝へ向かいました。
●白猪の滝・しらいのたき●
愛媛県東温市河之内。皿ヶ嶺連峰県立自然公園内、重信川の上流に落ちる、落差96mの滝。冬の氷瀑が有名。有料の駐車場からは徒歩15分ほど。
来訪日:2015/7/22
西条のうちぬきで会ったおじさんに「これから白猪の滝に行くんです」と言ったら、「あそこはやっぱり、氷瀑でしょ」と。
そう、この滝は冬の氷瀑で有名なんです!愛媛県って温かいイメージがあったから、ちょっと意外。
一度はこの風景にも会ってみたいな〜、と夢見ていますが、まだなかなか叶わず…
(これが今年の氷瀑の様子です 毎年ニュースになるんですね ↓)
でも、そのいつかに備えて、凍っていない時の状態を知っておきたい!
アプローチは下の駐車場から歩くと上り坂が大変なので、ちょっとショートカットしちゃいます。有料の駐車場(300円)から歩き始めれば、徒歩15分ほどでOK。
途中、渓谷の風景も楽しみつつ。
如意輪観音さま(なぜか那智山)にご挨拶もしつつ……
見えてきました、滝はこちらです!
さすが合計で100m近くになる滝だけあって、迫力がありますね〜!
氷瀑になることで有名なのは、この2段目!
流れは幅広で薄く、岩盤の凹凸のために水が細かく分かれて落ちています。
これは、綺麗な氷瀑をつくるための条件といってもいいですね。
そうはいっても、冬じゃなくても十分素敵。細かいミストのような水しぶきが気持ちよく感じられるのも、まだ寒くならないうちだからこそ、ですしね。
そして、この滝なんですが、実は歴史的にもドラマがある場所です。
こちらの看板にもあるように……
正岡子規、夏目漱石のゆかりの地でもあるのです。
子規の句は
追いつめた 鶺鴒見えず 渓の景
漱石の句は
雲来り 雲去る瀑の 紅葉かな
鶺鴒がこの滝までやってきたら、たしかに滝の音と躍動感にまぎれてたちまち見失ってしまいそうですね。どちらかというと漱石の句のほうが、わたしの感動に近くて、空から落ちてくるような滝を見上げている様子が想像できました。
子規は明治24年8月、漱石は明治28年11月、いずれもこの滝を訪れたときに詠んだものだそうです。漱石は、子規への手紙に「白猪・唐岬の滝・瀑一覧致候」と書いています(近くにもうひとつある唐岬の滝はわたしは今回行けませんでした)。
子規は松山生まれ、そして東京での子規の学友である漱石は、旧制松山中学校に英語教師として赴任。子規と漱石は当時、松山という場所でさまざまなことを語り合っていたはずですが、「あの滝に行きましたよ」なんていう話もふたりの間でされていたのかと思うと、なんだか親近感が湧いてきますね☆
今回は通りませんでしたが、子規と漱石が歩いたという旧道も通ることができます。
岩手の時も、宮沢賢治が見た滝、ということで時を越えてつながる感覚を楽しみましたが(記事はこちら)、ここでも日本の近代文学の代表である子規と漱石に思いを馳せることができて、それって、やっぱり楽しいのです。
氷瀑の季節が一番!といわれる滝ではありますが、子規と漱石が眺めたのは氷瀑ではなく、流れている滝のほうだったわけですし、その姿がちゃんと見られてよかったです☆
おまけ。
滝の近くの田園風景は、それはそれはのどかで素敵でしたよ。
棚田にひがんばな、刈り取られた田んぼには、はざがけ。
この風景も長く守られているものなんだろうな、って思うと、またしみじみしちゃいました。
続きます!