取材で訪れた富士山滝、その2。(その1は白糸の滝)
白糸の滝から少し北にいったところ。富士を望む、田園風景の中にある、こちらの滝です。
●陣馬の滝・じんまのたき●
静岡県富士宮市猪之頭。落差5m。上流の川からの滝と富士山の湧水の潜流瀑が、五斗目木川(ごとめきがわ)に注ぐ。源頼朝が1193年に富士の巻狩りを行った際に陣を張った場所に由来する。駐車場からもすぐ。
来訪日:2013/7/11
まだ残暑が厳しいですが、今年の夏は本当に暑かったですね! この滝を訪れたのも、思い切り真夏日でした。
この滝のように、浅めの滝壺を見ると、わたしはすかさず靴を脱いで、足を入れてしまうのですが(夏だからというか、冬以外は)……
うわわっ、かなり、冷たい!クールダウンどころか、すぐかじかんできます。
それも、そのはず。
なぜなら、この滝は「湧き立て」だからです!
前の記事では、白糸の滝が「潜流瀑」だと書きましたが、ここ陣馬の滝も、同じく富士山からの湧き水が滝になっているという、潜流瀑です。
この滝の周辺の猪之頭地区では多くの湧水池が存在し、マスの養殖やワサビ栽培などにも利用されているそうです。湧水は、季節を問わずいつも12〜14℃くらい。湧き立てがそのまま落ちている滝だから、猛暑のさなかであっても滝の水は冷え冷えなんですね。
富士山に降った雨や雪が、山の中に染み通り、古富士と新富士の断層の間をゆっくりゆっくりろ過されながら流れてくるわけですが、湧水として出てくるまでには、30年くらいかかることもあるとか。
30年前…ということは、わたしがうまれたころくらいに降った雨の水かもしれないんだ……なんてことを考えながら、滝壺に浸かっていると、ロマンチックな気分です…。ぽんやり。
水が30年ぶりに光を浴びる瞬間。それを、間近に見て、触れて、浸かることまでできちゃう。
この「陣馬」という名前は、源頼朝が富士の巻狩りの際、ここに一夜の陣を敷いたことから名付けられたそうです。ここでも「頼朝も眺めた滝なんだな〜」などと妄想してみると、歴史上の人物でさえも身近に感じられてきます!
スケールではダントツで白糸の滝がすごいですが、白糸の滝にはないこの滝ならではの良さがあります。いわば、富士山潜流瀑のゴールデンコンビ。ぜひともセットでお楽しみくださいませ。
ここは、夏は地元の子供たちの格好の遊び場になっていました。危険な岩場もなく、ちょうどよい広場のような感じなのですよね。
天然のシャワーとプールを楽しめる滝。お子さま連れ旅行には、おすすめですよ!
富士山滝、まだ続きます(^-^)/