前回に引き続き、昨年の秋に訪ねた福島県南会津の紅葉滝レポートをお届けしますね。
白河のお隣の西郷村から、さらに西へ。下郷町(しもごうまち)です。こちらもはじめての土地なのでワクワク。11月に入ったばかりで、紅葉がベストタイミングでしたね!
まずは、滝以外の見どころをサッとご紹介します。
国指定天然記念物「塔のへつり」!
もともとは海だった場所が地盤の隆起とともに風雨にさらされて生まれた、見事な奇岩の絶景。その名の通り、塔のようにいくつかの岩がそびえています。「へつり」とは会津方言で、川に迫った険しい断崖のことだそうです。
奇岩萌え…!しましま模様に百万年の重みを感じました。
そして、重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている「大内宿」にも立ち寄りました。
江戸時代に会津若松市と日光今市を結ぶ重要な道の宿場町として栄えたところだそうです。現在も茅葺屋根の古民家が立ち並んでいて、雰囲気満点!
ここでいただいたのが名物のねぎ蕎麦。ねぎ一本をお箸代わりにしていただくという縁起物ですね。
こちらも大内宿名物の「しんごろう」。半つきのご飯を丸めて串にさして、お味噌を塗って焼いた、南会津の郷土料理だそうです。お味噌は「じゅうねん味噌」といって、地元名産のエゴマを使っているもの。五平餅みたいな感じですね。おそばでお腹いっぱいのはずが…ぺろっといけちゃいました。おいしかったです!
福島のこのあたりを旅したのは初めてでしたが、山あいの宿場町らしい素朴さと優しさを感じて嬉しくなりました。同じ県でも、またやっぱり雰囲気が違いますね。日本ってこんなに狭い国土なのに、見事にカラフルな文化があります。この多様性が、どうかこれからも受け継がれていってほしい…
滝というきっかけがあることで、その土地の歴史や文化に触れることができています。これがわたしが滝活動にハマった一つの理由でした。その土地で暮らしてきた皆様、そして現在暮らしている皆様に想いを馳せていく。滝を愛でることももちろんですが、「人」に触れることも、わたしにとっては癒しなんです。
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さてさて、前段が長くなりましたが、本題、滝の話に入ります!
下郷町では、お手軽に行ける三つの滝を見てきました。
まずは国道脇にある、こちらの滝。
●罠かけの滝・わなかけのたき●
福島県南会津郡下郷町芦の原。別名「高陦(たかしま)の滝」。阿賀川の支流である鶴沼川に注ぐ。落差20mほど。国道118号の道路脇から川を挟んで対岸に遠望できる。
来訪日:2020/11/1
路側帯に一時停車させてもらって…
見えました!!
遠いんですが、ちょうど紅葉とセットになるといい感じ。近くだと逆に見上げる感じになると思うので、遠望だからこそ全体のフォルムの美しさが見られるかもしれません。直瀑+分岐瀑のシンプルなスタイルです。
次の滝は…
●日暮の滝・ひぐらしのたき●
福島県南会津郡下郷町野際新田。観音沼森林公園の奥。加藤谷川上流の枝沢にかかる。落差40m・15mの二段の滝。「日暮れまで眺めていても飽きない」ことから名付けられた。観瀑台から滝つぼまでは徒歩5分ほど。
来訪日:2020/11/1
「観音沼」も紅葉の名所!人も多くなくて、落ち着いた雰囲気でよかった。広々とした景色が味わえて、贅沢な気分。穴場かもしれません。
この観音沼の先に滝があります。観音沼よりも、さらに穴場だと思います!
ちらっ!
こちらが、日暮の滝!ひぐらし、と読みます。
標高が他より高いからか落葉が早く、滝の姿も下の方までよく見えるようになっていました。
落差、上の段が40mもあるので、なかなかの迫力です。きゅっと下がすぼまって落ちているのが、美人さんって感じしませんか。紅葉を額縁がわりに使ってみたら、より美人度が上がりましたよ!
少し歩くと、滝つぼの方まで降りていくこともできます!
さらに。三つ目の滝。
●じろえもんの滝●
福島県南会津郡下郷町戸赤。阿賀野川支流の倉骨沢にかかる。落差5m程度。「じろいもんの滝」という表記も。駐車場からすぐ。
来訪日:2020/11/2
変わった名前の滝ですよね!地図や案内には「じろえもん」とありましたが、看板には「じろいもん」とあります。名前の由来を調べてみるとネットの情報では「じろえもん=太公望」のことらしいんですが、つまり釣り人に親しまれていた滝、ということでしょうかね。
滝は、こちらから見下ろすことができます!
見えました!
滑床からサラーッと滑り台のように落ちる、ユニークな滝です!落ち葉が斜面にモザイク模様を描いているのがなんとも言えず素敵です。好きなんです、落ち葉の装飾。
間近に見られるところまで降ります!少し下流側に降り口があります。長靴を履いておくといい感じです。
見えました!
落差はさほどありませんが、ゆっくりと鱗状の模様を描いて流れてくる様子が、しとやかでとても美しい。
一緒に行った友人は「おかっぱの前髪みたい」と評しておりましたが、確かに(笑)!
この季節にしては水量はまあまああった方かもしれません。「じろえもん」という名前から印象をイメージしていたのとはまた違いましたが、風情ある滝でした!
前回ご紹介した西郷村、そして今回の下郷町。まだまだ気になる滝がありましたので、いつかまた訪ねられたらいいなと思います!