5月に訪ねた新緑の世立八滝ツアー!群馬県中之条町の旧六合村エリアです。
前回まで
大仙の滝/段々の滝・群馬県【初訪問!新緑の世立八滝】
段々(だった)の滝の次へ!滝の左側の階段を登っていきますと、段々の滝を上から見下ろす形になります。でも、1段目の滝つぼの様子は木々に遮られてよく見えない…!
ほどなく、「箱の滝」の看板が見えてきました。
が、こちらも木々の陰になっております。音だけを楽しむ感じで、次へ。
世立の渓谷沿いにはこういうそそり立つ系の岩盤が多い!
節理があるので、マグマ系だと思うんですけど、どういう地質なのかは詳しくわからず…
次に、見えてきた滝は、こちら。「久内(きゅうない)の滝」。
この先に、滝があります!
滝の落差は5mもないくらいですが、結構勢いよく落ちてきています。
滝つぼは深そうです…!
こちらの滝の下流はこんな感じになっておりまして…
堰があるんですね。ここが閉まると、隣にある取水口に落ちるようになっていて、発電用に使われるのだとか。
これでちょっと謎がとけたのが、ネットで事前に調べていたら、下流の大仙の滝、段々の滝は水量が極端に少ない時があるようだったんですよね。その時は、ここで取られていたのかもしれません。
さて、ここから次の「さつうぜんの滝」に向かいます。ひらがなで書いてありますが、漢字では「殺人の滝」。めちゃくちゃ物騒な名前ですが、その由来はまた後ほど…
「この先急な登りです」と書いてあるのですが、本当に急で、息が切れます。途中、ガイドの木村さんからお菓子をいただき、プチ休憩を挟みました☆
階段を登り切ると、尾根からは世立集落を眺めることができます。
木村さんから、世立の集落についてのお話もお伺いしました。
「世立」と云う地名は平安時代後期の木曽義仲伝説から来ているそうです。義仲が二歳の時に源氏一門の争いで父を殺されたためこの地に預けられたそうです。その後七歳の時に木曽谷へ帰ることになり、その際に「世に立つ、お前たちもここで世を立てろ」と言い残したことから、ここを「世立」と云うようになったらしい。
滝めぐりをしていると全国各地の山奥を歩くことになるわけですが、こういう隠れ里系は多いですねぇ。歴史とのリンクも滝の楽しみ方の一つです(参考:歴史好きなら滝がもっと面白い【滝のポテンシャル・その3】)。
木村さん曰く、「こういう山間の地域は訪れる人も少なくてエンタメがないから、とにかく民話が多い」とのことでした。「殺人の滝」の名前の由来も、世立の集落に伝わるこんな言い伝えからきています。
「昔、世立に旅の行者が来た時に、村人たちは行者の所持金を狙って、この滝に行者を落として殺害してしまった。その時に行者は最期に“世立村からはバカとけんかは絶やさない”と言い残した」…ということらしいです。世立の人たちはこの話をどういう気持ちで言い伝えたのかよくわからないですけども(笑)。
ともあれ、目的の殺人の滝までもう少し。こんどは急な下り階段が登場です!
ウヒィ…。あと120mとはいえ、急な下り階段。ということは帰りがやばいな…と思いながらあ、下っていきます。
下り切ると、看板が見えてきました!
こちらです!
●殺人の滝・さつうぜんのたき●
群馬県吾妻郡中之条町世立。落差20mほど。八石沢川にかかる世立八滝のひとつ。「跳ね滝(ヒョングリ)」で知られる。
来訪日:2019/5/17
いいですねぇ!ピョーンと跳んでます!!!
殺人の滝は勢いよく飛び出していく「ヒョングリ」滝として滝愛好家の間では知られています。わたしもヒョングリが大好きなので、ずっと訪れたかった滝だったのです。実際に見られて大興奮です。
ブシャシャシャ…ずっとこの勢いで24時間365時間流れていると思うと、なんか健気なんですよねぇ。
いやあ、物騒な名前とは裏腹に、とってもいい滝じゃないですか。
滝つぼまで降りれるので、下からじっくり見てみましょう。こんなかんじの空間です。
岩に腰かけて、滝をじっくり観察…☆
ヒョングリの部分だけに目を奪われがちなのですが、それ以外の部分があるからこそ、この滝の趣が増しています。
ヒョングリの前には分岐があり、左側の流れは小さな分岐瀑となって落ちてきていますし…
ヒョングリ滝の後ろの岩盤に沿って、斜めのラインで落ちているのもオシャレ〜。
苔の感じもいいですよ!
滝つぼには光が差してキラキラ輝いています…ホウ。
見上げれば、新緑と青空。もう最高としか言いようがありません。
動画はこんな感じです!
ガイドの木村さんにも、滝の鑑賞法を伝授!「こんなにじっくり見たことなかったなあ、なるほど面白いなあ」とおっしゃってくださりました!
最後は滝と一緒に記念写真!
さつうぜんの滝をしっかり満喫できたわたしたち。先ほど降りた分だけ登り階段を突破してから、世立八滝ツアーはまだ続きます!