樽滝・長野県【幻の滝がつないでくれた木島平村とのご縁】

樽滝・長野県【幻の滝がつないでくれた木島平村とのご縁】

新潟県妙高の滝めぐりをした翌日。また長野県に戻り、県北部の木島平村へ向かいました。

もともとは旅の予定に考えていなかったのですが、「明日はどこいこうかなぁ」と妙高に近い滝を探しながら地図で目に入ったのが木島平村。でも、木島平村に滝なんてあったかしら…

そこで「木島平村 滝」でググってみると……

この滝が出てきました。

●樽滝・たるだき●
長野県下高井郡木島平村上木島。樽川に落ちる滝。昭和59年より発電所への導水のため滝がなくなる。毎年5月8日と10月の第4日曜日の2回だけ放流される。
来訪日:2016/10/23

いつだったか話には聞いたことはあったんです、この滝のこと。上流で水力発電所ができてしまったために水が流れなくなってしまった滝…でも放水日だけはその姿を現すという…なんともレアな滝らしいのです。

で…
あれ…?

年に2回って。
10月の第4日曜……って。

もしかして、ばっちり明日じゃない?!

ラッキー!!

tarutaki

そんなわけで、まったく予期していない流れで、妙高の翌日に木島平の幻の滝を見にいくことにしたわけです。

さらにもうひとつ、「呼ばれてる!」って感じるような、偶然のご縁がありました。

実は今年の5月、東京の秘境、青ヶ島に旅行に行っていたのですが(滝とはぜんぜん関係なく)、その青ヶ島でたまたまずっと旅程が一緒だった女の子がいました。実は飛行機が飛ばなくて帰れなくなるというハプニングも一緒に経験したお仲間。その彼女、Tちゃんがたしか「木島平で働いている」と言っていたのを思い出したのです。

これはせっかくならTちゃんと滝を一緒に見にいきたい!
連絡先をきいていたのでメールをしてみたところ、ちょうど予定も空いている、ということで久しぶりに再会することができました☆

dsc_1875

旅の出会いだからTちゃんともそれっきりかな、と思っていたのですが、まさかの木島平で〜! 滝に呼ばれるように木島平にやってきて、滝がもう一度つないでくれたのが素敵な旅のご縁でした。

……ということで前段が長くなってしまいましたが、ここから幻の樽滝のレポート。

朝8時半に放水とのことだったので、せっかくなら流れ落ちる瞬間が見たい! 現地には朝8時前に到着しましたが…クルマがすごい! 駐車スペースは行列状態でした。

dsc_1872

こちらが滝が落ちる場所だそうです!

dsc_0259

想像以上にカメラマンさんがいっぱい。朝6時から場所を取っているという方までいらっしゃって。すごい! 「滝が現れる」というだけで、これだけの大勢の人を呼び寄せるとは…。村の一大イベントとなっているわけで、滝の潜在力を感じます。

さて、落水まで30分の間、樽滝の由来を読んだりしながら、待機します。
(寒いです)

dsc_0262

途中、中部電力の係の方が慌ただしく通りすぎていきました。なるほどーこの滝イベントは中部電力さんの協力が必要なのですねぇ。

そしていよいよ、アナウンス。息を飲むわたしたち。
「カウントダウンです! 5、4、3、2、1…!」

dsc_0265

しーん

しーーーん

けっこうタイムラグがある!(笑)
上のほうの門を開けてから、いまジワジワと水が進んできているわけですね!

数秒経つと…

あ…

dsc_0266

あーー!

dsc_0268

きましたーー!!!

dsc_0272

樽滝、無事復活です!!!

dsc_0274

この壁にどんな滝が描かれるのだろう…って思っていたけど、やっぱり昔は長い間流れ続けていただけあって、久しぶりに落ちたとは思えない(?)しっくりきてる完璧なプロモーションでした! 周囲の木々も紅葉に彩られていて、堂々たる姿です。

滝って、そもそもずっと落ち続けているのが滝なのであって。こうして「滝が生まれる瞬間」って、普通、見ることができないわけですよね。だから、すごく不思議な感覚。こんなに美しい滝が年に2日しか見られないというのは寂しいのだけれど、逆に滝が形作られていく過程を見ることができるというのもまた新しい感動で、滝ファンとして貴重な経験となりました。

ちなみに発電所ができる前は、地元の人々に長年大切にされていた由緒ある滝です。

滝のそばにあるのが、玉滝不動尊。

dsc_0302

「ほろほろと山吹散るか滝の音」と詠んだのは、芭蕉です。

dsc_0304

5月8日が玉滝不動尊の例大祭。ということは山吹の季節ですから、芭蕉もこのお祭りの時期に来ていたのかもしれませんね。

芭蕉が愛でていたときは、雄滝、雌滝と呼ばれていたようです。

dsc_1893

放水で現れた滝は、雌滝のほう。
で、樽滝本流を落ちるのが、こちらの雄滝。

dsc_0293

橋の上から眺めることができます。

幸せを呼ぶ滝、という謂れがあるのは、雄と雌が出会うというところからきているようです。

男は川の本流ですから、枯れることなくずっと落ち続けているのに、女のほうが年に2回しか姿を見せない。彼女を待ち続けていた彼、再会に喜ぶ彼……という妄想で眺めてみると、なんだかこの雄滝も愛しく見えてくる(笑)。発電所ができる前はいつも一緒にいられた二人。しかし彼女の新しい仕事(発電)のため、離ればなれになってしまった。いなくなって初めてわかったキミの大切さ……彼はいま、噛み締めていることでしょう。

で、この幸せを呼ぶ滝という伝説は、いまもしっかり町おこしに活用されております!
わたしたちもボードを持って、記念撮影です☆

dsc_1888

ほんとはカップルで撮るんでしょうけども! でもたしかに考えてみれば、この滝があったおかげでわたしはもう一度彼女に再会できたということ。「まさに青ヶ島から木島平に縁を結んでくれている滝だね!」とすっかり運命を感じてしまったのでした。

滝を鑑賞したあと、Tちゃんに木島平のお薦めスポットを案内してもらいました☆

ひときわモダンでおっしゃれーな建物は「FARMUS木島平」。いわゆる道の駅なんですが、普通のとちょっと違う。

dsc_0316

古い工場を改築した建物もおしゃれなんですがコンセプトもはっきりしてて、木島平の農業をいろんな角度で活性化しようというのがテーマ。施設内で農作物を使った6次産品の生産も行ってたり、それをつかったカフェがあったり、キッチンルームがあってお料理教室をやっていたり。2015年のグッドデザイン賞を受賞しているそうです。

dsc_0311

天井の高いホールは音楽イベントなんかがよく行われているんですって。

dsc_0310

木島平はお米が有名で、カフェではこのお米からつくった米粉パンサンドイッチをいただきました☆ 焼きたてふっくら、おいしい…!!

dsc_0314

女子2人、カフェでひとしきりまったりしたあと、木島平の名湯へ。
馬曲温泉・望郷の湯。絶景を眺めながらの温泉でさらにまったり。……最高!! 木島平に住んでたら毎日来そう! Tちゃんがうらやましい!

dsc_1901

お昼ごはんは「手打そば樽滝」で、火口蕎麦。これで「ぼくちそば」と読みます。

dsc_1903

おいしいお水と蕎麦のつなぎにオヤマボクチ(山ごぼう)の葉の繊維を使って打った蕎麦のことで、この地方にしかない名物だそうです。独特の強めのコシで、わたしハマりました。お土産にも購入です☆

dsc_1905

そんなわけで、Tちゃんと再会できたおかげで、思いがけず木島平を満喫! 
やっぱり知り合いがいるといないのとでは、その土地への愛着って違ってきます。

滝がつないでくれた木島平とのご縁、大切に…☆ Tちゃん、ありがとう! 春の落水の時期にもまた来るね!