島根県の日本の滝百選シリーズ、竜頭八重滝につづきまして…
八重滝・島根県【神在月の出雲大社とのんびり渓流散歩】
龍頭が滝・島根県【もう一つの百選、貫禄の裏見滝】
もうひとつ、島根県で百選に選ばれた滝があるんです!
どうする行く…? 行っちゃう…??
行っちゃおう〜!
ということで。
フェリーにのります!
目指すは、隠岐の島!
隠岐の島:島根半島の北方、40〜80キロの日本海に浮かぶ隠岐は、住民の住む4つの大きな島と、他の約180の小島からなる諸島です。円形で最も大きな島を島後、西南方向の西ノ島、中ノ島、知夫里島の3島を島前と呼びます。
……へぇ。しらなかった。ひとつの島じゃないんですね。いくつかの諸島で成り立っていることすら知らなかったくらい。滝があるのは、島後のほうだったので今回はそちらに向かいます。
まったくツテのない土地だった隠岐の島。きっかけは単に「日本の滝百選の滝があるらしいから」ということだけですが、せっかく海まで渡って訪れるからにはこの島のことも深く知りたい! 現地の方とも会ってみたいし、日帰りじゃなくて宿泊もしよう!と思って調べてみましたところ。
素敵なゲストハウスを発見〜!
ゲストハウス佃屋
http://www.oki-tsukudaya.com/
2014年にオープンした新しいスタイルの体験型古民家ゲストハウス。若い女性のオーナーさんが移住して立ち上げたということでいろんなメディアにも取り上げられているようでした。かなり気になったので宿泊をお願いすることにいたしました。
で、サイトの紹介を見ていたら、こちらのゲストハウスでは宿泊だけでなく、オプションで現地の方による島案内もお願いできるとのこと! それならばぜひとも滝に案内していただきたい! と、オプションもちゃっかりご依頼しておきました。
そんなわけで島に到着しましたら…(日本海の冬らしくめちゃくちゃ寒い!)
宿に行く前に、まずは島めぐりツアーです!
この日ご一緒してくださったのが、隠岐生まれ隠岐育ちの小沢さん。港の近くにあるユラユラというバーの店長さんです☆
港近くの素敵な雑貨店さんで合流!
京見屋分店さん http://www.kyomiyabunten.com/
こちらで店主の谷田さんをご紹介いただき、「滝のために、ここまで来ちゃいました!」という話をひとしきりおしゃべりさせていただいたあと、いよいよ島めぐりに出発!
さっそくお目当ての滝に向かいます!
●壇鏡の滝・だんぎょうのたき●
島根県隠岐郡隠岐の島町那久。隠岐島後の南西部にある那久川上流。壇鏡神社内にある。正面に落差50mの雄滝、神社入口の左手には落差40mの雌滝が落ちる。
来訪日:2015/11/24
小沢さんもここは大好きな場所だそうです〜!
入り口からして雰囲気抜群。
きりっと神々しい空気が漂っています。
滝の名前は、この滝で見つかった「神鏡」を祀っていることから付けられたとのこと。
ほどなくして、滝が見えてきます!
こちらは入り口近くにある雌滝。
そして……雄滝も見えてきました!
わー!
これは…!
天から神様が水を恵んでくださっている…
滝、というよりそんなイメージがわいてきました。じんわりとしたありがたさが感じられる、見事に神々しい滝です。
ここの滝の雰囲気は水量に左右されるそうですが、小沢さんによればこの日の水量は「ベストです!」とのこと。多くもなく少なくもなく、この滝の神聖さが最も伝わりやすいタイミングだったようです。渇水しやすい時期ですが、前日から朝にかけて雨が降ってくれたおかげです!
いつまでも見上げていたくなります…☆
そして何といってもこの滝は裏見ができる滝という特徴もありまして。滝の裏側に回ってみると、こんなかんじです。
またここでもしばらくぼーっと見上げ続けてしまいました。
さらに、滝の下にも行ってみます。
水しぶきがすっごいので、傘を準備している小沢さん! 用意がいい〜!
(滝の下にいらっしゃるのわかりますでしょうか〜)
滝壷はなく「打たれやすそう」な感じになっています。
が、さすが落差50m、水しぶきのパワーは見た目よりけっこう激しいんです〜。実際に打たれたら結構痛そうです。
直下から見上げるとまた迫力がありました!
この断崖の地質もすごいインパクトあるんです。隠岐の島は世界ジオパークにも認定されて地学的にも注目されてる場所。この岩盤は粗面岩という火山岩らしいのですが、気になる…。って、岩も愛ではじめたらきりがないのですが、それでもたっぷり時間をかけて鑑賞できて、滝ガール、大、大満喫でした〜!
滝ガールの情熱につきあってくださってありがとう! 小沢さん〜!
さて、その後も引き続き、島の見どころを小沢さんにマンツーマンガイドしていただきました。贅沢!
まずは、島のもうひとつ大きな滝、深浦の滝に連れて行っていただきました。
落差40mくらいの分岐瀑。海岸からすぐの場所に落ちていますよ。
闘牛(牛突き)の文化がある隠岐の島。約800年前に隠岐へご配流となった後鳥羽上皇のお慰めのために島の人々が始めたのが起源だとか。今でも年に数回、開催されているそうです。
闘牛用の牛さんにも出会いました。つ、つよそう…
そして、島一番の名所! 乳房杉(ちちすぎ)へ。
樹齢約800年の古木。いくつも乳房状の根が垂れ下がっていることからその名がついたとか。身近にある植林用の杉じゃなくて、日本海側に分布するウラスギという種類だそうです。
この杉は島後の最高峰、標高608m大満寺山の東麓にあるんですが、島なのに山が多いことにもビックリでした! 小沢さんは山登りもお好きなんだとか。
島といえば海遊びなんだと思っていましたが、山も一緒に楽しめるなんていいですよね〜。小沢さんに隠岐の島のポテンシャルをたくさん教えていただき、すっかりつい数時間前とは比べ物にならないほどの隠岐に親近感を覚えてきたところで、お宿に向かいました。
お屋敷みたいな立派な古民家です!
お迎えくださったのは、女将(大将とも呼ばれている!)の古川咲季さん!
隠岐の島の夜、最高でしたよ〜!
「漁師さんがくれる」ことも多いという地の魚をふんだんにつかったお夕食です。
どれもホントに美味しい〜!
カニの外子もいただけちゃったので、チビチビやるにはうってつけ。
おともは、隠岐の島の酒造さんの日本酒ですよ〜!
幸せ。
オフシーズンだったのでこの日の宿泊客はわたしだけでした。なので、咲季さんとふたりでワイワイ、というよりはマッタリ。美味しいごはんとお酒をいただきながら、隠岐のこと、食のこと、旅のこと、あと滝のことも! 同世代女子トークが盛り上がりました〜☆
咲季さん、お料理上手というところも素敵だし、変化を恐れずにこれだ、と思ったことを実現する潔さに惚れちゃいます。「人生どうなるかわからないけどとにかく楽しんでいきたいね!」的な価値観が共有できて、すごく楽しいひと時でした。
(こちらに咲季さんの新聞取材記事がありました!)
http://www.asahi.com/and_w/interest/SDI2015011950431.html
やっぱり旅の醍醐味はこういう出会いだな、って思います。でも、滝というきっかけがなかったら、ここまで来なかったはずだし、出会ったみなさまが面白がってお話を聞いてくださるのも滝というちょっと変わった趣味があるからこそ。わたしにとっての滝は、人生拡張装置みたいなものですね。
一泊だとやっぱり短い!けど、思いがけず印象深い滞在になりました。
夏の隠岐はまた全然雰囲気が違うそうです。また来ますね〜!