前回は、伊豆で最もポピュラーな滝を訪れた話!
ほかにも、伊豆の滝、いくつか立ち寄っています。
こちらは西伊豆戸田の、はかま滝。
天城峠の近くにあります、二階滝(にかいだる)。
どちらも、穴場で素敵!でしたが、滝壺まで近寄るには、今回は装備不足です。ちょっと寂しい…
で、滝壺まで近寄れるお気に入りの滝にも行きましたよ!
4年ぶり、くらいです。
●萬城の滝・ばんじょうのたき●
静岡県伊豆市地蔵堂。落差20m、幅6m。狩野川の支流のひとつ地蔵堂川上流にかかる。別名「裏見の滝」とも呼ばれ、かつては滝の裏を遊歩道で1周することができたが崩落により現在は通行不可に。萬城の滝キャンプ場の駐車場から徒歩5分。
来訪日:2014/4/26
滝の轟音が近くなり、階段をいそいそと、テンションあげて下っていきました。
すると…
ええっ!?
記憶と違う、光景が広がっていました。
岩盤が…コンクリで固められている…。
以前訪れたときは、こんなでした。
水量豊富で豪快。パワフルで心が洗われる大好きな滝、でした。玄武岩の岩の表情も好きでした。だから、ここにはぜひ友達を連れてきたかったのです。
なぜ… いったい、どうしたんだろう?
慌てて、スマホで調べてみました。
どうやら2010年から岩盤の工事が始まっていて(わたしが前回訪れた直後だったようです)。
この滝は、「裏見の滝」というのがウリだったのに、数年前に崩落してしまって、通れなくなってしまった。再び観光客が安全に裏から見ることができるように、と整備を始めたということだったようなのです。
確かに、裏から見える滝はワクワクするものだけれど、落石は自然の摂理でしょうがないことでもあり、岩盤の下を通るのが危険ならそう伝えればいいこと。「裏から見ること」って、そんなに大切だったのでしょうか?
施工者のコメントを調べてみたら、「施工後において岩盤面の形状が大きく変わることのない自然な仕上がりとなっている」と。
自然な仕上がり…か…。初めてこの滝を見る人は、そんなに気にならないのかもしれませんけれど…。
本当に、自分は何も言えません。
毎日の都会での快適な暮らしは自然を犠牲にしたもの。滝を見に行くにしても、舗装道路があるからクルマで滝までたどり着けるし、滝までの道に階段や、滝見台をつくってもらっているから、簡単に滝を眺められる。
でも。この流れがどんどんエスカレートしてしまったら…。
人間の「やりすぎ」には、海が好きな人、山が好きな人、それぞれに胸を痛めることが起きているのだと思います。
わたしは滝が好きだから。こういう滝の姿を見ることで、一番強く響いてきます。
「どうしたら、これから人間は、地球と仲良くやっていけるのだろう」
滝そのものは、この日も、ゴウゴウと、ただ、落ちていました。
何かを語ることはありません。
痛々しい岩盤を見上げるのがつらくて、変わらずに青く光る滝壺をじっと見つめていたら、じんわり涙が溢れてきました。
感じること、自分の振る舞いも、しっかり振り返ること。
途方に暮れながらも、現代を生きるわたしにできることは何なのか、考えるのでした。