先月末は、久しぶりに群馬の滝へ行ってました!
今回は群馬北部、みなかみ町を一日重点的に滝散策。

みなかみといえば、大きい滝というと裏見の滝とか、観光地としては有名な照葉峡があるんですが、あえて今回はこれをはずして。みなかみの西部、旧新治村のあたりにあるという、ちょっとマイナーな二つの滝からスタートです。どちらも「不動滝」という呼び名がある滝でした。

まずはこちら。

●綾織の滝・あやおりのたき(不動滝)●
群馬県利根郡みなかみ町入須川。不動堂の裏手に落ちる滝。落差約30m。駐車スペースから遊歩道を徒歩5分程度。
来訪日:2017/11/26

朝日がススキに!

柿の木はしぶとくたくさんの実を抱えています。

そして振り返れば、冠雪した山並み。

うはーあ。きれいだ!!

そう、11月のおしまいから12月にかけて、この季節の滝めぐりって、わたし実はすごーく好きなんです。紅葉はほとんど終わったけど、本格的な雪はまだで。晴れの日ならまさに小春日和、でも観光シーズンではないから人出も少ない。虫もいない。人間も1日を終わりにお風呂はいって、ゆっくり本でも読みながら眠りにつこうとするときの至福があるように、そういう静けさと落ち着きがある季節だなあ、と思うのです。

季節の移り変わりに思いを馳せながら、滝の入り口へ到着。

あれれ、こんな季節なのにクルマがいっぱい。

ぜったい貸切だと思ったのになあ。こんなにクルマがあるってことは何か祭でもやっているんだろうか…?

不思議に思いつつ、進みます。

まずはお堂でご挨拶。人は…ここにも居ませんでした。

南山不動堂。歴史は天正…ということは秀吉がいた頃ですね!

この後ろに滝が落ちています!

こちら。

岩が岩が!

かっこいいいいー☆

水量は控えめなんですが、岩肌を滑るように落ちてくる。

素敵。
そういえば、あんなにクルマがあったのに、滝の前にもどなたもいないんですよ。

まあいいか、とウットリ眺めていましたら…

んん? バラバラバラ…と謎の音。

!!?

カンッ カーン!!

うわあ。滝の上から、でっかい枝が落ちて来たんですけど!!

近寄りすぎてたらあぶなかったし!

しかし、この落ち方、どうかんがえても自然じゃないな、と。飛んできた感じだもん(笑)

下からでは見えないんですけど、さては上に人が居るようです。

もしかするとあの入り口にあったクルマの持ち主の方たちが、この滝の上で山仕事でもしているのかもしれません。

そのあとも大きな枝とまではいかないけど、土やら落ち葉やらが滝の水に混じってどんどん落ちて来て…

すっかり茶色い滝になっちゃった(涙)

しくしく。
しょうがないので、今回は出直すことにしました。

素敵な滝のそばで長居できなかったのは残念ですが、山が地元の方によって手入れをされて大事にされているということでもあるわけで。それはそれで人と滝とのつながりを感じられてよかったかもしれませんね。


(茶色い滝とわたし)

後から地元の方に聞いたら、この滝は氷瀑が見事なのだとか! 岩盤と水の流れの感じからしても、なるほどこれは凍るな、というかんじです。今度はスノーシュー持って厳冬期に来てみたいと思いました☆

さて、お次も、同じく旧新治村エリアの滝です。こちらも不動滝と呼ばれています。

●人影の滝・ひとかげのたき(不動滝)●
群馬県利根郡みなかみ町合瀬。落差約20m。合瀬大橋近くの遊歩道入り口から徒歩5分程度。夏場はヤマビルに注意。

穴場の滝のようで、観光スポットとしては情報がないんですよね。滝好きの方のブログを参考にしてやってくることができました。

合瀬大橋を渡ったところに、合瀬という小さな集落があります。

滝の入り口にはちゃんと看板がありましたよ。

滝の名前になってる「人影」の由来は何なのかな、と読んでみますと…

「主君を慕って死んだ二人の武士の姿が、この滝の左側の岩に変して見られると伝えられている」

う。

ちょっと怖い系の言い伝えだった… ( ̄◇ ̄;)
ま。まあ、爽快な朝なんで! 怖くない怖くない。気を取り直して、まずは階段を下っていきます。

途中に、こんな可愛らしいお地蔵さんも☆

文化3年と刻まれています。ということは、200年以上も前からここで滝を護ってくれているのですね。

谷まで降りると、音が聞こえてきました。

想像していたよりも立派!! 形はシンプルな直瀑スタイルです。

冬の始まりで周囲の木々たちが葉っぱを落としているせいで、滝と岩だけがくっきりと浮かび上がって来ています。言い伝えはちょっと怖いけど、わたしが行ったときには、怖いかんじはありませんでしたよ。枯れ木になっているせいで日差しがさして明るいというのもあるのかも。

こちらも、岩の表情が面白いですよね。先ほどの綾織の滝の方がつるりと丸みを帯びた岩でしたが、こちらはゴツゴツ。

「人影」とされる左側の岩、というのは…こういうの↓ですかね?

うーん、見えなくも、ないかなあ?

横からの表情はとっても元気です。滝の向こうに合瀬大橋が見えますね。

滝に近寄ってみると、水の透明度が高いことにも気付かされました。

ほー☆ なんとも言えない優しい色あい。

ちなみに、ここは気温が高くなると山ビルが出るところなのだそうです。

ヒルは、いつになっても怖い…(見るのも怖い…)
ヒルが出ないっていうのは、実はこの季節の滝めぐりの魅力でもあります。

二つの不動滝は、ごくごく控えめ。でも確かに長い歴史とともに地元の人に大切にされてきていることが伝わってきました。人影の滝のそばにいらっしゃった優しい表情のお地蔵さんの、あの雰囲気というのかな。これからも守られていってほしいな、と思いました。

みなかみの滝レポート、まだ続きます。