岩手の滝で、ずっと気になっていたのに行き残していたエリアがありました。

ので、10月の最初の3連休で行ってきましたよ!

そのエリアとは、西和賀町! 西和賀の女神山のふもとには「女神三滝」があるのです。

あまり馴染みのない場所でしたので、せっかくなら地元の方のご案内をお願いしたいと思い、西和賀観光協会に登山ガイドさんをご依頼しました。今まで行ったことのないエリアを訪ねるときは、できる限り地元の詳しい方からお話を伺いたい!というのが滝ガール流の滝旅の楽しみ方。最近はツアーではなく個人でガイドをお願いしてみても、意外と対応していただけることが多く、ありがたいです!

ということでやってきました西和賀。
集合場所は、日本で初の温泉付き駅舎「ほっとゆだ」駅です!

今回はガイドの高橋定信さんにご案内いただくことになりました。高橋さんの軽トラで女神山方面へ移動したんですが、未舗装の道が続くのでやっぱりガイドさんがいてくださって安心でした。高橋さんは西和賀の副町長さんもやられていた方だそうで、道中、この地域にまつわるいろんなことを教えていただきます。

駐車場までの途中、道の脇に、三滝不動明神と書かれた鳥居があります。

ここ下前地域では、毎年7月に三滝不動明神参りという伝統行事も行われているのだとか。地元の方々にとって、ずっと大切に守られてきた滝、どんな滝なんだろうとワクワクしながら、スタート地点の駐車場に到着です。

女神山は岩手県と秋田県の県境にそびえる東北百名山の一つ。女神三滝はその女神山トレッキングコースの途中にある滝です。付近には7つの滝があるらしいけど、今回訪ねるのはそのうちの3つです。

最初だけ山登りチームの方と一緒になりましたが、わたしたちは滝だけのショートコース。

この日は雨だったんですが、雨の森もパワーがあるので、それはそれでわたしは好き。しかもこの森はブナが多いので、水を受けてなんだかウルウル喜んでる感じです。

スタートから10分ちょっと、一つ目の滝はわりとすぐ見えてきます。

大きなブナが目印!

滝を見守るようにそびえるブナ様にご挨拶して…

急斜面を降りていきます。

ちらっ。

と…

わー!

これは!

●白糸の滝・しらいとの滝●
岩手県和賀郡西和賀町下前。下前川源流部にかかる女神三滝のうち、最初に出会える滝。駐車場から徒歩15分ほど。岩盤をいく筋もの糸のように流れ落ちる。落差30mほど。
来訪日:2017/10/7

超個性派!!

なんだろう、クラゲかな??
かなり変わった形の滝です! 下部の岩盤が後からグリッとえぐられているんですね。岩が崩れたのもそこまで古そうではないですが、高橋さんが小さい頃からはずっとこの形なんですって。

迷わず近づいていきますよ!

見上げるとこんな感じ!

紅葉には少し早い時期だったんですけど、赤いのはウルシかな? アクセントになってていい感じでした。

クラゲちゃんのインパクトが強いのですが、近づいてみると苔から滴り落ちる滝の表情もまた素敵で…ほぅ

動画はこんな感じです!

一つ目から素敵な滝に迎えられて、いきなりテンション最高潮のわたし。

高橋さんと記念写真を撮りました。はしゃぎすぎて三脚を倒したりするハプニングがあったので、なおさら笑顔が弾けてますよねぇ。

(なんかお父さんと娘みたいで、気に入ってます☆)

次の滝は白糸の滝のすぐそばにあります。

●姥滝・うばたき●
女神三滝の一つ。白糸の滝の隣、百滝沢にかかる。落差20mほど。

こちらです!

白糸の滝とは違う沢から落ちてくる滝。こちらの方が水量が多いようで、かなり元気な滝です。「どの辺が姥…?」って感じなんですが、白糸の滝のそばに寄り添うように落ちているというところから名付けられたという説も。その時の水量にもよって印象は違うのでしょうが、この時はとりあえず、かなりカカア天下な感じでした。

ちなみに、姥滝のすぐ上流に「爺滝」があるとのことなのですが…

これ!

ちょっと…地味かな。笑 姥滝の方が断然目立っているので、やっぱり女神山では女が強し、ということなのかな。

さて、続いてもう一つの滝を目指しますよ。

途中、女神山登山ルートとの分岐点を通過。

道中、高橋さんから植物のことも教えてもらいつつ…

こちらは、ミズの葉っぱ。

そのままでも食べられるそうで、確かになかなか美味しい。「山で遭難したらこれ食べてね」とのこと。豆知識!

こちらは沢によく自生している、大文字草。

可愛いフォルムですよねぇ。

そして次に見えてくるのが女神霊泉です。

岩手の名水20選に選ばれているのだそうで。「飲んでみたいなあ…」と言ったら、高橋さんが即席の「葉っぱコップ」をつくって水を汲んできてくださりました!

わーい!

さすがブナの森が育んだ名水、美味しかったです!

女神霊泉の隣には、「岩清水」と呼ばれるスポットも。

湧き水がそのまま滝になるタイプの「潜流瀑」のようです。岩清水、という名前ですが、滝と名付けてもいいくらいだなあと思います。2本仲良く並んでいるから双子滝とか姉妹滝とか?

さらに15分ほど、沢沿いの道を進んでいきます。

そしていよいよ3つ目の滝が見えてきました!

「降る滝」です!

どーん!



●降る滝・ふるたき●
女神三滝の一つ。落差50m。細かい凸凹のある岩肌を滑り落ちてくる。

「降る」、滝!

何と言ってもこのネーミングが斬新ですよね! 滝はそもそも降るものだけど、「降る」という動きをひときわ強調したかったということでしょうか☆

でも、なんとなくわかるかも。というのも、とにかく、水しぶきがすんごい。

途中の岩肌が細かく凸凹しているので、水しぶきが立ちやすいのかな。幾筋にも糸のように流れ落ちてくる様子をじっくり眺めると、繊細な表情も見えてきます。

ちなみに降る滝の近くは、岩も面白くて。いろんな種類の岩がゴロゴロしてました。

誰かが置いたのだとは思うのですが、滝前に拝むようにして置かれている大きな丸石。

そして、緑色にツヤツヤと輝く岩がたくさん見られました。

もしかして、長野の奥志賀で見かけたグリーンタフと一緒かな?  あとで調べてみたら、グリーンタフのエリアは東北一帯に広がっているということがわかったので、たぶんそれでいいみたい。ということは海底火山の痕跡ということですね。

帰る前に、降る滝さんとのツーショット! かなり格好いい!!

一つ目の白糸の滝も女神さまっぽいなあと思いましたけど、でもやっぱり「降る滝」の方が、繊細さと貫禄という意味では、より女神らしいかもしれませんね。

高橋さんによると、晴れている時のこの滝は青空から「降る」様子が格別なんだとか。雨のおかげで水量もしっかりあるし、しっとりした森の風景も素敵だったけど、高橋さんはしきりに「晴れていたらなあ!」とおっしゃっていました。

それに、もう一つ西和賀町で行こうと思っていた真昼岳の滝も、天候悪化で今回は断念したので、そっちも行かなきゃだし。これは素直に「また来なよ」ということなんだろうと思います!

半日ガイドという短い時間でしたが、高橋さんとたくさんおしゃべりして、楽しい時間を過ごさせていただいたことも、この西和賀という場所に「また来たいな」と親しみとご縁を感じたポイントでした。滝をきっかけに全国に好きなまちが増えていく。やっぱりそれがわたしにとっての滝活動の醍醐味でもあるなあと思うのです☆

高橋定信さん、雨の中のガイド、ありがとうございました!
また来まーす!!