久しぶりに、熊野の話です〜!

熊野新聞さんでも3年間も連載をさせていただいており、毎年何回かはお邪魔している縁のある場所なんですが、今年は 7月下旬にようやく行くことができました。また少し前の話で恐縮ですが、そのときの滝のこともレポートしますね。

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今回は初めて、自分の愛車を連れて、でした!

熊野まで東京から運転していくのは気合が必要でしたが、途中に立ち寄りながらであれば、意外と大丈夫でしたね。

まだ梅雨明けがしていない頃だったので、毎日お天気が不安定。そんな中の貴重な晴れ間で向かったのは、熊野市新鹿(あたしか)町にある弁天滝でした!

●弁天滝・べんてんたき●
三重県熊野市新鹿町。大蛇峰を源流とする久保川の上流に落ちる。落差50mほど。駐車場から遊歩道を歩いて20分強。
来訪日:2020/7/27

こちらの滝へ向かうきっかけをくださったのは、熊野市在住の熊野研究家、三石学さん。前日に偶然にお目にかかることができており、いろいろと熊野市近辺の滝について教えていただいていたのです!(まだまだ知らない滝がいっぱいあった…)

中でもこの弁天滝はまさに三石さん地元の滝。「子どもの頃は修験者の法螺貝の後にくっついて弁財天にお参りしたものです」とのことでした。

調べてみるとこちらの弁天滝、通常はあまり水量が多くない滝のようで。それなら長雨が続いているこのタイミングはむしろ訪問のチャンスかも…という考えもありました。

新鹿インターチェンジを降りるとすぐ、滝が目の前に見えてきます!

遠望でもかなり立派な滝です!

こちらの地図によると、あの滝は龍門滝。三石さんによると昔から新鹿町のシンボル的な存在のようです。滝が見守ってくれる町、素敵ですよねぇ。

龍門滝は道が整備されていないようなので基本は遠望のみですが、弁天滝にはハイキングコースとして道が整備されています。

駐車場から、遊歩道スタート。

綺麗に整備されていて、信仰の地として大切に守られている様子が伝わってきました。

杉林の中、沢沿いで苔むした石畳の風情を味わいます。

ムーミンのニョロニョロみたいなキノコ?にも出会いました!可愛い!

緩やかな登り坂なので少し息切れしつつも、歩いていくこと20分。

素朴な鳥居が見えてきました!

そこから一層清らかな空気が漂っています。二本の背の高い木が存在感を放っていました。

小さな弁天堂がありまして…

その先から滝音が聞こえてきます!

こちら!

うわあ。か、かっこいい〜!

弁天滝、まさにその名の通りでした。落差は50mほど。つややかな岩盤を滑り落ちてくる様は、弁天様がまとわれている衣のようです。しなやかでセクシーで女性らしさもありながら、不思議な威厳というか…。かなり迫力(圧)も感じます。

長雨の後の訪問は、大正解だったと思います。水量しっかり!水玉を散らしながら落ちてきます!

後半はレースのように模様を描いておりてくる…曲線美!

この滝は大蛇峰を源流とする久保川の上流に落ちています。三石さんによると、神武天皇が熊野楯ケ崎に上陸したあとにこの大蛇峰を越えたという伝承があるのだとか。聖なる山から流れる滝、その神々しさも納得でしたね。

クワガタちゃんも滝見にいらしていましたよ!人間はいなくても、こうして生き物と一緒なのはとても楽しいんですねぇ。話しかけちゃいます。

さらにいろんな角度から眺めてみたいので、滝つぼの前を対岸へ渡ろうとしたところ、岩はどれも苔でツルツル。膝上まで水に浸かってしまいました。せっかく長靴に履き替えたのに…無念。

「ぎゃー」とか声を出して慌てている様子を弁天様に見られているようで少し恥ずかしい感じもありましたね……。気を取り直して岩に腰掛け、滝を見上げながら、祈りを捧げます。

正面からの眺めはまた印象が変わりました。さらに堂々とされていらっしゃって。女王さまに接見するような気分。

弁天様のパワーをいただき、都会生活で疲れていた滝ガールですが、瞳に光が宿りました…笑

ありがたいひとときでした!来られてよかった!

三石さんからは、他にも熊野市周辺の穴場の滝を教えていただいています。また折を見て訪ねたいと思います☆熊野の滝めぐりは本当に奥が深いです。