バタバタしててだいぶ空いてしまいました…!
今さらながら、奄美大島の旅、続き。もう1ヶ月以上前になってしまったんですけど、まだ書きたいことがあったのです。
前回まで
マテリヤの滝・鹿児島県【冬の奄美大島へ!輝く滝壺】
アランガチの滝・鹿児島県【奄美大島宇検村に憩いの滝】
嘉入の滝・鹿児島県【加計呂麻島ドライブで出会える美滝】
奄美大島といえば、ぜひとも行きたかったのがこのマングローブのカヌーツアーでした(滝ではないので、番外編ということで)。
やってきたのは、島の南部、住用町にあります「黒潮の森マングローブパーク」。
www.mangrovepark.com
マングローブとはある一種類の植物の名称ではなくて、海水と河川からの真水が混じりあう塩沼地に生息する植物群のこと。役勝川と住用川が合流するあたり、奄美群島国立公園特別保護地区のマングローブ原生林が広がっています。西表島に次いで日本第2位の広さを誇っているということです。
こちらが、展望台からの眺め!
マングローブカヌーツアーは、当日申し込みでOKでした。
なんとタモリさんもブラタモリできていたようです!
(わたしはなぜか奄美の回だけ見逃してしまっていた様子…)
タモリさんをこれだけ笑顔にさせるマングローブツアー! 期待膨らみます。
最初にガイドさんに漕ぎ方をだいたい教わってから、マングローブを眺めながら漕ぎだします。わたしは少し経験したことあるので、難なくスタート。
青空の下、雄大な川をチャプチャプ漕ぐのはそれだけで楽しいです!
(結構濡れるけど!)
でもさらにワクワクしたのはやっぱりガイドさんが教えてくれるマングローブのことでした。
なんというか、どれをとっても面白いのです。
マングローブの林は海と陸の生き物、両方の生活の場。張り巡らされた根っこで川の流れをゆるやかにしたり、海の波をさえぎったりして山の上から運ばれてきた養分を溜め込んでいます。その林の土の中にたまった養分をえさにするプランクトン、プランクトンをえさにするエビやカニ、エビやカニをえさにする哺乳類や鳥が来て…てな具合に、多種多様な生物が入り乱れ、生命の循環がとても豊かに行われている場所が、マングローブだということです。
この様子、「生命のゆりかご」と呼ばれることもあるそうなんですが、ゆりかごというよりも、もっとパワフルなイメージを受けます。
ここのマングローブには、メヒルギとオヒルギが生育しているそうですが、どちらも厳しい環境条件のなかで生存していくためにある種の「かしこい」生態を持っているというのが、また面白い。
まず、メヒルギ。
この写真の背後に見える木です。
川や干潟に近い林の縁には背が低いメヒルギが生えているのですが、ガイドさんによるとこれにもかしこい理由があって、「後ろの木にちゃんと光が当たるように」とのことらしい。すごいなあ。「植物が思いやっている!」って、なんだか感動しちゃって。植物同士の情報ネットワークって一体どういう仕組みなのか… めちゃめちゃ気になります。
川の支流の方にも入っていきます。
こちらではオヒルギの話。
マングローブは海水を根から吸い上げていますが、そのままでは塩分でダメになってしまいます。メヒルギは根の部分で塩分をけっこう濾過できるらしいのですが、オヒルギはあまり濾過ができない構造。でもそれだと塩分を取りすぎてしまうので、どこかで排出しなければいけない。どうするかというと、オヒルギは「余分な塩分を1枚の葉に溜め込む」のだそうです。塩分が溜められた葉は黄色くなって落ち葉になる。その黄色い葉っぱをかじると、ポテトチップスのような味がするのだとか。それだけ塩分を閉じ込めてある証拠です。
これもかしこい生態ですよね。全体が生きるために1枚が犠牲になって。
マングローブの森を間近に眺めながら、なんだか生命の秘密に少しだけ触れた気分になります。もっともっと詳しく調べてみたくなる。だけど、少し聞きかじっただけでも「よくできているなあ!」と驚いてしまいます。
それは、生と死のさかいめもないし、自と他のさかいめもない。はじまりとおわりもなくて、ただ、まわっている…循環している、そんなイメージ。
実はそれって、わたしが滝を眺めている時にも感じるイメージとも重なるんですよね。
マングローブの森と滝。
どちらも象徴的に生命を感じられる場所で、世界の仕組みを教えてくれる「ヒント」でもあるのかもしれません。
って、結局やっぱり滝の話。ふふ。
奄美滝の話も、最後またアップします!
前回まで
マテリヤの滝・鹿児島県【冬の奄美大島へ!輝く滝壺】
アランガチの滝・鹿児島県【奄美大島宇検村に憩いの滝】
嘉入の滝・鹿児島県【加計呂麻島ドライブで出会える美滝】