「R8が、滝に打たれるらしいよ」

最初に聞いたとき、???
超高級スポーツカーを滝に… って、どうしたアウディ!

や、調べてみて、すぐ、安心。今をときめく、ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」とのコラボレーションで、プロジェクションマッピングで滝がクルマに投影されるというインスタレーションだそうで。日本を代表する最先端のモノ作りチームと、アウディの開発コンセプトが一致したことで生まれた、異色のコラボレーション!です。

で、行ってきました。
都会のどまんなかで、滝鑑賞!
表参道の「The Audi Forum Tokyo」です。

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滝行中のR8は、メインスペースで不思議な存在感を放っておりました!

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正面から、上から、斜めから。DSC_2053DSC_2057

いつもの滝鑑賞と同じように、いろいろな角度から眺めます!

当たり前だけど、本物の滝を観たときの感動とは、違います。音も、風も、ありません。でも、だからこそ、水の粒のひとつひとつの動きに、集中できる。その粒の動きも、心なしか、ゆっくりに感じます。

実際、わたしは滝を見るときに、全体としての美しさを感じるのはもちろんなのですが、近寄って、滝を構成するしぶきの一つ一つの動きを追っていくのが、大好きです。この映像の滝も、その後者のほうの楽しみ方にクローズアップできるように作られているのかもしれません。

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作品の説明には
「水は、無数の水の粒子の連続体で表現し、粒子間の相互作用を計算、滝を物理的に正確な水の運動シミュレーションとして構築している。そして、全体の水の粒子の中からランダムで、0.1%の水の粒子を選び、その水の粒子の挙動によって、空間上に線を描いている。つまり、無数の線の裏側には、その1000倍もの水の粒子が存在し、それら全体の相互作用によって、線の曲線が決まっている」
と、ありました。途方もないかんじですが、なるほど、自然の複雑さ、深遠さを、ここから少し体感できる気がします。

もともと、チームラボは、滝というモチーフにずっと注目していて、いくつか他にも作品があります。
前作の「憑依する滝」の解説にはこんな言葉があります。

「自然とは観察の対象ではなく、「我々自身も、自然の一部である」と考えていたかのような振る舞いは、単純に、かつての日本の人々の見え方が、川や海のような自然の一部すら生命体のように見え、自然の一部すら憑依してしまいやすい見え方だったから、つまり、自然と自分との境界がないような感覚になりやすい見え方だったからではないか、そんな風に思うのだ」

その境界をなくしやすい「見え方」を、チームラボの滝は、追求してくれているんだと思います。

そして、あえて今回、そこに、スーパーカーという人間の最高の技術を結集させた「メカ」を組み合わせるというチャレンジ!「もっと速く」という純粋な人間の願いは、圧倒的な自然の摂理に包み込まれているのです。

わたし、自然が大好きだけど、縄文時代みたいなところに戻りたいとも、思いません。かっこいいクルマは大好きですし、コンピュータ技術でこういう幻想的な作品が見られるのってすごい!とワクワクします。でもね、それもこれも、自然あってのことです、と。これは、いつも忘れたくないことですね。

こちらの展示、年末年始は休館らしいのですが、1月3日〜5日はオープンしています。お買い物のついでにも、ぜひ。
teamLab exhibit at Audi Forum Tokyo
http://www.team-lab.net/latest/exhibitionlist/audiforumtokyo.html

チームラボ代表の猪子さんは、いろんなところで対談やインタビューが読めますが、本当に、どの玉投げても鋭い玉が返ってくるような方で、いつも驚きをもらいます。
気鋭のクリエーターも魅せられてしまう「滝」というモチーフ。とにかく、キテます!2014年も、ますます楽しみですね 🙂