奄美大島の滝めぐり、続き。

前回: マテリヤの滝・鹿児島県【冬の奄美大島へ!輝く滝壺】

大和村から南下して、今度は宇検村に入りました。
ちなみに、この村の読み方は、「むら」じゃなくて、「そん」。やまとそん、うけんそん、です。

奄美大島の最高峰、湯湾岳に向かう登山口がこの2つの村の両方にあるのですが、その南側の登山口にある、湯湾岳展望台に立ち寄りました。というのも、大和村からのドライブの景色が、やっぱり見慣れない少し変わった森の風情で。大きなヘゴが道の両脇からワサワサと生えてくるかんじ。森が一体どうなっているのか、展望してみたかったのです。

展望台の駐車場に来てみると、宇検村の地図がありました。宇検村は外界に面しているというより、湾にある村なんですね。

展望台はこの階段の先のようです。駐車場からすぐかな、と思っていたので、ちょっと長めの階段にひるんでしまいましたが…

こちらが展望台! レトロですねぇ。ちと廃墟っぽい…(失礼)

登ってみますと…

この景色!

見渡す限り、森、森、森!!!
これは来てよかった。360度、ぐるーり眺められる展望台です。

宇検村の焼内湾がこちら。湾が深く入り込んでるのがよくわかりますね。

何かわからないけど、猿なのか鳥なのか、生き物の声が響いています。なんともワイルドな雰囲気。

ちょうど近くの木陰に鳥の姿も見えました。キビタキちゃんかな。

展望台の老朽化は少々気になるところだけど…  🙄

階段登って来る価値があった! 奄美大島の森のスケールを体感することができました。

お目当ての滝については、森を抜けて、宇検村の集落の近くにありました。

●アランガチの滝・あらんがちのたき●
鹿児島県大島郡宇検村石良新小勝。湯湾岳を源流とする小勝川にかかる落差20mの段瀑。駐車スペースから歩いてすぐ。
来訪日:2017/12/24

アランガチ、っていう名前、なんだろう?と思ったら、「新小勝」と書くそうです。もともと小勝という集落があって、新しい集落ができたときに、名付けられたとか。

滝の周辺はどなたでも鑑賞できるくらい綺麗に整備されていました。

すぐ見えてきます!

こちらです!

2段の滝になっていて、下段は二筋に分かれるタイプ。水量もしっかりなので、結構迫力があります。

滝壺には、カニの姿が… (見えたんだけど、写真に撮れなかった…)

と… 滝のそばに気になるものがありました。

水路です!

どうやら滝の落差を利用して、上段の滝壺のところから、水路を引いて、隣の集落に水を引き入れているようです。

こちらの池につながっています。

ちなみに、滝の手前にはみかん畑があったので、この畑でも滝のお水が使われているのかな?

(大丈夫、とりません!)

集落の暮らしに密着して長く親しまれている滝という感じでした。この季節だから他には誰もいらっしゃらなかったけど、きっと夏場には子供たちの遊び場になって賑わうんだろうなあ。

子供といえば…この滝の近くに、「ケンムン」の木もありました。

ケンムンはガジュマルの木に棲んでいる奄美の妖怪で、沖縄で言うところのキジムナー的な存在だそうです。宇検村には特にケンムンの伝説が多いらしく、ケンムンで村を盛り上げていこうという取り組みもあるんだとか。
(あとで調べたら、このガジュマルの麓に像があったそうで。気づかなかった… 確かに写真の右下に写っています)

ケンムンもアランガチの滝で遊んでいることがあるのかもしれませんね。こういう言い伝えが自然に残っている地域って、やっぱり素晴らしいと思う。これからも語り継いでいってほしいです。

続きます!

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