【番外編】鈴木輝隆先生と内子町石畳ローカルデザイン視察

【番外編】鈴木輝隆先生と内子町石畳ローカルデザイン視察

先月、弾丸で愛媛に行ってきました!

(松山空港!)

(坊っちゃん電車!)

(道後温泉!)

…と、まずは松山から入りましたが、今回の目的地は、松山のすぐ南にある、内子町。滝がメインというわけではなくて(もちろん行ったけど)、いつもお世話になっている立正大学の鈴木輝隆先生が内子町にいらっしゃる用事があるということで、ちゃっかりわたしもお供させていただくことになったのでした。

このサイトでも何度かご紹介しているのですが、鈴木先生はローカルとクリエイターを繋ぎ、数々の地域ブランディングを成功に導いてきたお方。5年ほど前に雑誌の取材でお会いしてご縁ができて、それからありがたいことに滝ガール活動もいつも応援してくださっています!

日本の豊かな自然とわたしたちの暮らしとの関係性について、特に都市ではなく地方の未来について。先生からたくさんのヒントをいただいています。

均質化の流れの中で、地域文化をどう育てていくのか?
「本物」の見つけ方とは?
地域の外の人間が、そこにどう関わっていけばいいのか?
その中で「デザイン」はどのような役割を果たすのか?

わたしはもともと単純に滝が大好きで全国を旅していただけですが、滝だけでなくてその周辺、あれこれ地域の魅力について考えを巡らせるようになってきたのは、先生に出会ってからだと思います。そこから滝活動の幅がぐんと広がりました。

鈴木先生が教えてくださることって、滝という枠を超えて、仕事、生き方にも関わってくるテーマなんです。まだまだ先生のお役に立てることはないのですが、定期的に現場の視察に同行させていただいて、いつも勉強させていただいています。

内子町も先生が長年のご縁でローカルデザインのお手伝いをされている地域ということは以前からお聞きしていて、一度訪ねてみたいなと思っていたところでした。

というわけで、まずは滝ガールブログとしては「番外編」となりますが、実際に先生にご案内いただいたこの土地の魅力と発見を書いておこうと思います!

まず、内子町の中心部から。この古い街並みが有名です。

江戸時代後期から明治時代にかけて木蝋の生産によって栄えたということで、街並みは保存地区として今も大切に残されています。

ここには現在も県下唯一の木蝋をつかった和ろうそくのお店があって。

創建100年を超える芝居小屋、「内子座」も。今も活躍しています。

道の駅では、地域の名産品をいろいろと教えていただきました。愛媛といえばみかんですが、他にも内子には柿、大麦、内子豚の加工品などいろいろあるんですね。

内子豚はお昼に焼きしゃぶでいただきましたが、かなり美味しかった…! おいしい湧水を飲んで育っているんですって。フワッと旨味が広がりました。

そして午後から町の北西部に位置する石畳地区へ。先生が内子で特に深く関わっていらっしゃるのがこの石畳なんです! 

地図の絵がなんとも和みます。

住民300人ほどの小さな集落を、ぐるりとご案内いただきます。ちなみに「石畳」という地名ですが、石畳が敷き詰められた景勝地があるというわけではなくて、おそらく川の岩盤が板状である…というところからきている?ようです。

まずは、石畳のシンボルでもある、弓削神社の屋根付き橋へ。

ここに来ると「懐かしさ」が湧き上がってきました。こんな風景を見たのは初めてなんですけど、何故なんでしょうね…

神社の看板には地域の氏子さんたちが「日参り信仰」を続けていると書いてありました。

ここに神社を作ろう、ここに橋をかけよう、そしてちゃんと綺麗に守ろう、代々のこの地で暮らす方々の強い思いを感じます。

こちらも同じく暮らしと共にある水車小屋。

この時も水車はゆっくり稼働中。水車小屋のなかに入ってみると…

なんとお米をついています!

天然のエネルギーで行われる精米だと、熱で変質せずに美味しいお米になるのだと。

実際に「水車米」と名付けられて販売されています。

水車があるということは川があるということで…滝もありましたよ!

皆さん、昔から水に感謝しながら暮らしていたのでしょうね。そして今も同じく。

こちらは水車にあった看板ですが…

最後に書かれていた言葉に目が行きました。「石畳を思う会」

「思う」って、素敵な言葉を選ぶんだなあ、としみじみ…。そもそも石畳での「村並み保存運動」は、この「石畳を思う会」が平成2年に水車小屋を復元したことで始まったのだそうです。それが30年近く前の話。地域を守ろうという活動も、ここ10年くらいの話ではないんですね。

そして先生が「ここがすごいんだよ」と連れてきてくださったのが、こちらの工場。何が作られているのかというと…

うわあ…☆

美しすぎる「菊炭」! 断面が菊の花のような放射状の割れ目をしていて、熟練の炭焼き職人でないと作れないものです。

熱く説明する鈴木先生。ブレてしまった!  

茶道用の炭として使われていたものだそうですが、インテリア、美術品として高価格帯での展開を進めているそうです。

そこにしかない技術をしっかりと継承し、現代のニーズに合わせて価値をつけて市場に出していく。それこそ鈴木先生が考えるローカルデザインの大切なプロセスです。

こちらは石畳地区にあるお宿、その名も「石畳の宿」

今回は泊まっていませんが、中を見せていただきました! 築100年の古民家を移築再生。住民主体となって運営されているので、スタッフは近隣のお母さんたちなんですって。

宿泊のお部屋は天井が低く、元々は養蚕をしていた家の名残がみられます。

石畳の名産、お買い物もこちらで。

素敵なポスター。鈴木先生が紹介したクリエイターさんたちが手がけた作品です。

わたしたちはこの日の夜まで、石畳に滞在しました。地区の有志メンバーによる「蕎麦打ち研修会」が開催されるところにお邪魔させていただくことに。

蕎麦は石畳地区の伝統食だったそうですが、一度廃れてしまっていたそうです。すると、またここでも住民の皆さんが団結。蕎麦文化を再興させようということで、山形まで出かけて蕎麦を習ってきたのだとか。そしてさらに今回腕を磨こう、ということで「全麺協」の方々を招いての研修会を開催することになったという流れ。

全麺協の皆さま。

今回お世話になった内子町役場の宝泉さんも蕎麦打ちがお上手☆ 宝泉さんは石畳在住なのです。

鈴木先生から「石畳の住民たちは物事を多数決で決めない」ということを聞きました。一人でもやりたいと言った人がいれば、その人が中心となって、みんながお手伝いをしていくのですって。まるで家族みたい。これを先生は「共同体意識がある」と表現されているんですが、実際にそういう土地ではクリエイティブなチャレンジが、ゆっくりではあっても確実に実っていくのだそうです。地域の魅力を生かすデザインの事例として、とても勉強になりました。

懐かしい、暖かい、優しい、美しい…  感じたことを言葉にしちゃうとありふれた形容詞ですが、それらが深いところまで染み渡ってくる感じがある。その「感じ」って、普段の都会生活からは遠くなってしまっているけれど、心の底で確かに求めているものなんだなと思います。

何より、わたしが一番感動したのは、自分の暮らす土地をこんなに愛せるって素晴らしいな、ということでした。

滝活動や仕事を通じていろんな地域を旅してきたけど、やっぱりなんだか落ち着くのって「住民たちに愛されている土地」です。滝だって、長く大切に愛されている地域の滝が大好き。そういう愛をたくさん感じる旅ができると、「良い旅だったな」って思えます。

今回も、ごくごく短い滞在でしたが、愛をたくさん感じました。
鈴木先生、そして内子でお会いできたみなさま、ありがとうございました! また桜の季節に遊びにきます!

ちなみに内子町の広報誌「広報うちこ」で、ちょうど12月に石畳の特集がされたばかり。これがまたグッとくるとっても素敵な内容でしたよ。
https://www.town.uchiko.ehime.jp/uploaded/life/111530_142053_misc.pdf

(続いて、内子の滝も紹介します!)