すさみの滝、後編です。

大鎌の大滝/雫の滝・和歌山県【すさみ滝ジオ巡り:前編】

雫の滝の近くにある、こちらの滝へ。こちらもすさみ八景のうちの一つです。

●琴の滝・ことのたき●
歌山県西牟婁郡すさみ町周参見。周参見川支流の広瀬渓谷の上流に落ちる。落差20m。すさみ八景のうちの一つ。「琴の滝荘」駐車場奥から広瀬渓谷遊歩道を徒歩20分ほど。
来訪日:2017/2/4

琴の滝荘というホテルがあって、その先から広瀬渓谷の遊歩道が続いています。滝の前まで車道も続いているので、せっかくなので遊歩道を歩いていくことに。

いくつか名前のついた滝があるはずなのですが、この時期は水がかなーり少ないので、滝の看板があるところをキョロキョロしてもそれらしきものが見当たらない感じ。

あれ? 笑

でもでも、とても気持ちの良い遊歩道なのです! 和歌山県自然環境保全地域に指定されているエリアだそうなので、植物ものびのびしています。

遊歩道をしばらく進みますと、車道と合流しまして。

琴の滝が見えてきました!

ふわあ…
しっとりと落ち着いた風情の美滝ではないですかー!

光は当たらないところなのですが、深い緑で吸い込まれそうな、静かな輝きをたたえている滝つぼです。

やすよさんはここでも滝ヨガポーズ☆ とっても絵になりますね!

実はここは以前にも梅雨時に訪ねたことがあったのですが、その時とはまた全然印象が違いました!


(写真は2015/6/26)

滝は幅広に流れていますね。琴という名前も、もともとはこの形状からきているのかもしれません。滝って本当に姿が変わるので、面白いですよね。わたしはどちらのバージョンも好きです。

ちなみに、滝の前にあるこちらの祠。
如意輪観音さまがいらっしゃいました。

脇には天保と刻まれているので、江戸時代のものでした!

そして、滝の入り口に立っていたこちらの看板によりますと…

この広瀬谷の辺りというのは、豊臣秀吉の紀州攻めにより居城を退いた戦国武将、山本氏一族が開墾して移り住んだ隠れ里だったのだそうです。滝のさらに上流には当時の隠れ里跡もあるそうな。きっと山本氏の末裔の人々は、代々この滝に祈りを捧げていたのでしょうね。

ちょっぴりタイムトリップ。
しんみり。

さて、こちらではお昼ご飯も。お外にテーブルを出して、ピクニック気分でいただきます!

くまの川遊び部・部長のお気に入り、ネイチャーストーブが登場。

中村さんプレゼンツの、すさみグルメ。イノブタのソーセージ&スープです。すさみはイノシシと豚を掛け合わせたイノブタの産地なんですよね。

イノブタ、脂の部分がものすごく甘い! ごちそうさまでした。

さて、最後に滝ではないのですが、南紀熊野ジオパークの中でも特に人気の面白いジオサイトがすさみにあるということで、連れて行っていただきました。

その名も「フェニックス褶曲(しゅうきょく)」
フェニックス…不死鳥…! そんなかっこいい名前がついている地層なかなかないですよね。

すさみ町口和深(くちわぶか)というエリアなんですが、この場所はなかなか地元のガイドさんが一緒じゃないとわかりにくいところにありまして。

車道脇から、海岸に続く道があります。

海岸に出ました! ちょうど日が傾きかけているところ。壮大な眺めです。

ここからゴロンゴロンの岩を越えながら、左側へ。
海側から回り込むようにして振り返ってみると…

あーっ!!

ひらがなの「つ」みたいな形にグニャー、と折り曲げられています。
(同じポーズをしてもらいました! 笑)

2000万年前から4000万年前の地殻変動で作られた地層。海洋プレートの沈み込みの時に、堆積した地層が沈まずに「付加体」となり、さらにそれが完全に固まる前に陸側に押し付けられたことで、折りたたまれてこんな形になったのだそうな。ジオ的にはかなり珍しい地層なんだそうです。

地球の活動の大スケールに一同興奮!

わたしはついつい滝ばかり追いかけてしまうので、なかなか海の方のジオサイトを訪れることは少なかったのですが、地球の太古の活動の軌跡がこんなにもダイレクトに肌で感じることができるなんて、ほんとに感動ですね。ダイナミックな地層に腰かけつつ、夕日に染まる海を眺める…和歌山の豊かさの原点に触れた気持ちになりました。

ますます和歌山のポテンシャルに驚かされた、すさみでの一日となりました☆

ご案内してくださった中村千佳子さんと、左はすさみの移住担当の竹田さん、右は実際にすさみに移住した大西さん☆ 楽しいツアー、ご一緒させていただきまして、ありがとうございました!!