那智の滝の上流へ!二の滝・三の滝ツアーレポート

那智の滝の上流へ!二の滝・三の滝ツアーレポート

久しぶりの、更新です!

先月、和歌山に出かけた時(「熊野新聞さんに掲載されました!」という記事)からも、相変わらず熊野の滝が気になり続けてます。

そして実はまた今週末に弾丸で熊野へ行ってきます。なので、今さらながら気持ちの整理も兼ねて、前回の旅の記録もアップしておこうと思った次第です。

年初にも書いたのですが、今年のわたしの滝ガールとしてのテーマは「滝と人との関わり合い」。すなわち「滝文化」についてもっと知りたいということなんです。その中でも「滝と信仰」というのは、かなりド真ん中のトピック。その背景に近づくためにも、まずは日本三名瀑の一つ、「那智の滝」に、もっと向き合いたいなあと思っていました。

そんなわたしがかなり気になっていたのが、こちら。

那智三名滝をめぐる神秘ウォーク

です!

那智の滝の落ち口のさらに上流、普段は立ち入り禁止区域の世界遺産「那智原始林」にある二の滝、三の滝を巡ることができるツアーです。那智観光協会さん主催の団体ツアーは2月と3月に何回かあるのですがいつも人気ですぐにいっぱいになってしまうこともあって、なかなかタイミングが合わなかったのですが、実はわたしが行きたい二の滝、三の滝には個人のグループでもガイドをお願いすれば案内してもらえるという情報をゲット。なんだあ、そうだったのかーっ!って感じです。

いつもお世話になっている、くまの川遊び部の面々を中心に他にもメンバーを呼びかけていただき、なんと今年シーズン初の二の滝、三の滝ツアーに参加することができたのでした。ついに念願叶う☆

もう1ヶ月以上も前の話となってしまったのですが、こちらでもレポートをしたいと思います。
2017/2/5に開催していただきました。ガイドツアーの詳細は那智勝浦観光協会にお問い合わせください)

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当日は朝から雨模様。
ですが、白く霞んで見える那智の大滝も幻想的なもので…格のある滝はいつ見ても絵になります。

今回のツアーでメインにお世話になったのは、那智ガイドの会の語り部・久世さん。くじら漁で知られる太地でペンションを営まれていて、太地のジオガイドもされています!

このツアーでは神域に入るので、まずは熊野那智大社の本殿で正式参拝を受ける必要があります。

写真は撮れませんでしたが、巫女さんの舞も美しかったなあ。

現在の那智大社ができたのが西暦317年ということなので、2017年はちょうど1700年を迎えるんですって。この後、本殿裏のお社にも参拝しまして…

那智大社の創建1700年記念企画ということで、ツアー参加者は内庭に白玉石を奉納させていただきました。

今年最初のツアーなので、まだまっさらなお庭。願い事を心に浮かべながらパラパラ〜。貴重な体験ですね!

こちらは、烏岩(からすいわ)。

神武天皇が熊野から大和へ入られたときに道案内した「八咫烏」が、役目を終えて帰ってきて、ここで姿を消し石と化したと伝わっています。

ちなみに那智大社の御祭神は、熊野夫須美大神。結び=縁結びの神様なのです! (と、今回説明していただいて、初めて知りました)

縁結びも御祈願して、ひとまず厳かな気分になったところで、いよいよ歩き始めます。

が、割と最初から上りの石段が続いていまして、いきなり息切れ気味。

すると、「修験道の行者さんが使う、元気が出る掛け声があるんですよ」と久世さん。

その掛け声とは、
「さーんげさんげ、ろっこんしょうじょー!」
というもの。
懺悔懺悔、六根清浄、ですね。

六根っていうのは、五感に第六感(精神)を加えたもので、それが歩みながら清められていく、ということ。みんなで声を揃えていると、ちょっと不思議なんですがなぜか力強く歩けるような気がしてくるのでした。これも、熊野修験のプチ体験です。

沢に降りると大きな倒木もあちらこちらにあって、6年前の台風の爪痕がまだ感じられました…。

途中は沢を渡ったりします。そもそも、このツアーの開催時期が2月から4月まで、というのもそのあとになってくると雨が多くなって水かさが増してしまうせいなんだそう。何か信仰上の理由があるんだろうと勝手に思っていたんですが、そういうわけじゃなかったんですねぇ。

苔むす岩の表情も素敵です。

あの木の根元に見えるお札は、ここが今も現役で修験道の祈りの地である証です。

そんなこんなで…
まず一つ目の滝、到着!

二の滝です。

高さ23m、幅7m。
女性的な、優しい印象でした。大きく広がった滝壺は、扇ヶ淵とも呼ばれています。

別名は「如意輪観音の滝」とも。少し左側が内側に入ったラインになっているので、立膝で悩んでいるようなあの観音様のポーズと、ちょっと重なるような気もしました。

ここで久世さんから、平安時代の花山(かざん)天皇についてのお話を聞きました。
イケメンだったそうですねぇ…

花山天皇は最愛の妻が亡くなったのをきっかけに19歳の若さで出家して法皇となり、二の滝の上の断崖に庵を設けて、千日間篭って修行したと伝えられています。

滝行というと厳しいイメージがありますが、二の滝はどちらかというと明るく、癒しの雰囲気を感じました。だから人の世に疲れてしまった花山天皇もこの雰囲気が好きだったんじゃないかなあ、なんて想像します。

青岸渡寺を西国33カ所の第一札所と定めたのも、花山天皇。ふむふむ。そう繋がるのか…文章で読んでもピンとこなかったことが、実際に現場にくるとなんとなく入ってくる。やっぱり現場が大事!

さて、ここからまた沢を上流へ。ググーッと高巻きしていきます。

苔がすごい! 原生林っぽいムード高まります。

結構急なところを下っていきます。えぐれた渓谷に川の威力を感じました。

見えてきました!!

こちらが、三の滝です!

二の滝と比べると、こちらは迫力系。男性的です!

しばらく雨が降らないとショボショボの水量になっちゃうらしいのですが、ちょうどこの日は朝からの雨で水量が復活。この雨も天がわたしたちのために水量を調整してくださってたのだと思うことに。おかげで本来の三の滝のいつもの力強い雰囲気に出会うことができました。

二の滝は如意輪観音さんでしたが、こちらの三の滝は別名「馬頭観音の滝」と呼ばれているそうです。馬頭観音って観音様の中では怒っているような激しいイメージなので、こちらも滝の雰囲気にぴったり!

今回ご一緒した皆さまと記念写真! 
レインウェアきてるので、カラフルですね(笑)

帰路、雨はかなり強くなってまして、復路で二の滝に訪れた時には、水量がかなり増えていたので少し印象が変わっていましたよ。

無事戻ってきてから、一の滝(那智大滝)にもお参りしました。

上流を見てこられたこと、そして実際に神域を歩きながら、滝にまつわる祈りの歴史を少しだけ知ることができたこと。

だから、那智の滝を前にした時の感動も、やっぱりこれまで以上のものでした。

133mの滝自体が神々しいのは変わらず間違いないのですが、今わたしの心をくすぐっているのは、複雑に入り組んだ滝と信仰の関わり合い。

もともと那智大社と青岸渡寺が今もちゃんと並んで存在することを不思議に思っていたのですが、それは明治の廃仏毀釈の時にもすたれないほどの信仰力を持っていたということなんですね。当時修験道も禁止され一旦はなくなっていたはずの熊野修験が今に続いていることにも感動してしまいました。実際にこの日も行者さんとすれ違いましたし。

古来の自然信仰に始まり、神道、仏教、修験道。言ってみれば日本の伝統信仰が全部入りの状態で残されている稀有な場所がこの那智山なんだなあ。そして、いずれにおいても、滝は特別な存在。滝というモチーフの元に、絶妙な形で共存している信仰…そう思うと、確かに滝が持つ普遍的な力があるんだろうと思わされますし、そこに通底するのは、日本の独特の精神性なのかな、とも思います。

これまで全国めぐってたっくさん滝と出会ってきたけれど、滝にはまだまだ秘密があるな…その秘密のほんの一角に触れた気分になったのでした。まだ知らなかったことたくさんで、それがドキドキするっ! 滝ガールとして、今年はこれまでとはまた違う、別の萌え方を身につけてきています(笑)

この週末の熊野も、ソワソワ楽しみ。今年は何度か熊野に訪れることになる予感がしています。