歴史好きなら滝がもっと面白い【滝のポテンシャル・その3】

歴史好きなら滝がもっと面白い【滝のポテンシャル・その3】

気が向いたときにフラッと更新する滝つれづれコラム。
このサイト自体も「滝のポテンシャルを伝えたい!」がテーマなので、「素材としての滝」の味わい方について、いろんな切り口を提案できたらと思ってます。

さてさて。
今年の大河ドラマ、「真田丸」。ご覧になってますか〜?

screen
http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/

わたしは、毎週楽しみにしています。脚本は三谷幸喜さん、戦国の乱世のなかにコミカルな要素もうまく入れてくるのが、さすがですよね!

この段階でも真田家が翻弄されまくりでかわいそうになるんですが、この間の回の最後では、すごくいいセリフを主人公の信繁(堺雅人)が言ってくれてました!

「私はこの景色を見るといつも思うのです。
武田から織田、たとえ領主が変わっても、
この信濃の景色が変わる訳ではない。
いつも静かにあの山々はそこにある。
まるで人間同士のいさかいを遠くで笑っているようです。
私はこの景色が好きです。
信濃は日本国の真ん中ですから。
信濃に生まれた事を誇りに思います……」

漢詩の「国、敗れて山河あり」みたいなことでもありますね。
実は信繁のこのセリフによって、物語の今後の流れが大きく動きそうなんですが…
物語の進行に関係なく、ジーン、と来ちゃってたのが滝ガール。
「わたしもいつも滝を見るとき、そう思ってたよ!」
ってね。

滝を見ることで、意識を大きい方向に飛ばすことができて、人間関係、些末なあれやこれやの悩みが小さく感じられてくるんですよね。本当に大切なことが何かってわかる。
それに、滝を見ながら、日本に生まれてよかったって、何度思ったことか…! だってこんなに美しいんだもの。

信繁が愛した、信濃の変わらない景色のなかに、滝も、しっかりと入っていたはずです。

真田丸のオープニングムービーにも、雄大な滝が出てきています。オープニングにはCGと実写が混じっているんですが、この滝は実在のものでして、須坂市の米子大瀑布です。

米子大瀑布の遠望、WIKIPEDIAより↓

Yonakodaibakufu

(米子大瀑布の過去記事はこちら わたしが行ったときには、霧で遠望風景が見えなかったんです…涙)

やはり地元信濃ですから、真田家とも縁のある滝なのでしょうね…と思ったら、なんと現在の米子瀧山不動寺のご住職は、両親ともに真田直系の子孫なんだそうですよ。
(須坂新聞から 須坂市米子町の米子瀧山不動寺〜真田家直系の血筋、家紋は六文銭

と…いうわけで、何が言いたいかといいますと。

時をつなぐ存在としての滝のすごさ!です。

大河ドラマって、オープニングに滝がつかわれること、多いんですよ!
真田丸だけじゃなくて、過去には「毛利元就」「利家とまつ」「風林火山」「平清盛」「軍師官兵衛」…

画としてドラマチックになるだけでなくて、「国、敗れて山河あり」的な発想で、大河ドラマのイメージに使いやすいのではないでしょうか。

人のつくったものは時とともに朽ちたり、壊されたり、なくなってしまうものですが、滝って、人間の歴史が紡がれているくらいの時間のスパンでは、姿は動きは、ほとんど変わりません。(大きな災害とか噴火とかで地形が変わってしまった場合や、近代以降、人為的にダムにしちゃったりという場合を別として)

さらに、滝は古来、日本では神聖なものとして、大切にされてきました。景勝地としてだけでなく、祈りの場でもありましたから、いろんな歴史上の人物が「滝に行った」という記録を残しています。

そう、だからこそ「歴史好きさん、滝にカモン!」なんです。

あのとき、歴史上のあの人がが見た滝景色が、まさに今、こうしてライブで動いている!
周囲は遊歩道があって、わたしたちもスマホで写真を撮って…と変わってしまっているかもしれなくても、滝自体は変わらないんです。

「山や川が当時と変わらない」と言われてもスケールが大きすぎてイメージわきにくいんですが、「滝が変わらない」と言われれば、滝はそこに落ちてるわけですから、すごくわかりやすい。

だから、滝だけを見つめてみれば、そのとき、あの人の目線と感動を追体験することができる。歴史物語もぐんと、リアリティをもって楽しむことができるんじゃないかと思うのです。

あの歴史上の人物も滝見していた!っていう話は、よく知られているところから意外なところまでいろいろあります。

過去に書いた記事では、平安時代のイケメン、在原業平の滝見話とか…
http://takigirl.net/archives/2646

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箕面の滝には織田信長が戦の途中に見に来てたよ!とか。
http://takigirl.net/archives/5367

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毛利元就が滝見をした瀑雪の滝!に……
http://takigirl.net/archives/877

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近代のほうになってきたら、宮沢賢治が物語に書いた滝!なんかもあります。
http://takigirl.net/archives/3970

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こんなかんじで、歴史上の有名人と滝についての話、けっこう掘りがいがありそうなんです。

ざらーっと、思いつくまま挙げてみますと…
清少納言、安倍晴明、源頼朝、義経、平維盛、豊臣秀吉、佐々木小次郎、宮本武蔵、松尾芭蕉、葛飾北斎、坂本龍馬、夏目漱石、与謝野晶子、宮沢賢治、中原中也、小泉八雲、白洲正子… などなど。

こういう話、滝好きの立場からすると、歴史に興味を持つきっかけにもなりますが、歴史が好きな方には、当時とのリアルな架け橋としての、滝の魅力がクローズアップされてくるはず。

歴史好きと滝好きの思いがクロスしていったら面白いな、と思っています。