鳥取県の名瀑、雨滝その2。

大迫力の雨滝(記事はこちら)に出会ったあと、隣の沢に落ちるもう一つの滝を見に出かけました。

雨滝からは遊歩道で徒歩10分ほど、と大した距離ではないのですが、最初、登りの階段がきついこともあるのか、雨滝にいらっしゃる方でこちらまで行く方は少ないようです。

でも、行ってよかったー!

●筥滝・はこだき●
雨滝の隣に落ちる滝。落差40m。両輝石安山岩の崖を4段に落ちる滝。滝壺が重箱のようなようすから名付けられた。
来訪日:2015/5/2

まず、雨滝の脇の階段を登っていきます。

雨滝とはしばしのお別れ。

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トチやブナが生い茂る雨滝渓谷では、いろんな種類の鳥の鳴き声が止むことなく聞こえてきます。
最高に清々しいプチハイク。

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見えてきました、聞こえてきましたー!

こちらが筥滝。じゃん。

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うーん、悪くないけど…… ちょっと物足りない。
たしか落差40mなのではなかったかしら。まだ上が見られるのでは?

…と、滝の脇に、木のハシゴを発見!

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これは、「登れ」って言ってるようなものです。

でも……

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ハシゴ側に渡るのに、微妙〜な流れが阻んでいたのです。これは確実に靴、濡れます。登山靴じゃなくて普通のスニーカーで来ちゃったから。

しばし、シンキングタイム。

というか、おやつタイム。さっき買ってきた豆乳ドーナツを、もぐもぐ。(ほかには、どなたもいなかったので)

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…で、やっぱり行くことにしました! 

別に靴は濡れても乾くし!
最悪滑ってこけて服が濡れちゃっても乾くし!

ジャーンプ。

もちろん、行って正解!

正面に回ると、こんな眺めでした〜☆

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柱状節理が何とも美しい!バランスも最高!

そして、さっきの木のハシゴを登ってみると……

わあ〜〜〜!

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また虹も見えた!

しかも、2重!(写真でわからないかもしれませんが)

この細かい節理の上を流れ落ちてくるので、水しぶきもたっぷり。だから、虹もくっきり見えるんでしょうね。

実はさっき靴下まで濡れたのですが、この眺めのためならば、ぜんぜんOKです!

じっくり観察します。

滝のスタート部分や…

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滝壺の虹にクローズアップ。

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雨滝も抜群に格好よかったけど、この筥滝も最高!
こちらはより女性的で、弱々しくないけど、品のあるかんじです。全体と細部のバランスも絶妙。

少し目立たない場所にあるおかげで、貸切状態なのもナイスです。紅葉のころなんかも絶対綺麗だろうなあ……

滝壺のほとりでしばらく滝時間を堪能して、さて戻ろうかな……と振り返ったところ。

あ!ちょうど次の訪問者が!

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中学生…かなあ… 男女2人ずつの、4人グループのようでした。
いいですねぇ、ゴールデンウィークに仲良しメンバーで滝。素晴らしい青春。お姉さん、ほのぼのしちゃう。

でも、なんか話し合ってます。さっきの「微妙な流れ」を渡るのにどうやら躊躇しているようす。雰囲気的に…帰っちゃいそう。

いやいや、ここまでせっかく来たのに、ここで帰るのは、ナシだよ!引き止めなくちゃ!妙な使命感にかられ、急いでハシゴを降りるわたし…。

そして、ハシゴを降りてきた女の存在に気付いたのが、めがね少年。少々驚いた様子。

わたし:(ここ、ここを渡るのよ!)とジェスチャー。

めがね少年:(え?ここ?まじすか)的な表情。

わたし:(勇気出して!女の子たちにいいとこ見せるのよー)…とジェスチャーではなくココロで伝える。

そしたら、めがね少年。

いったー!
見事、あまり濡れることなく、渡渉。

そしたら、3人も続いて渡渉成功!

でも、そんな彼らをハシゴの下で見守り待ち構える謎の女。やはり戸惑ってる4人… 怪しいよね…。なんせ一人だし……。

でも、こっちは気にしないもんね!

先輩風ふかせながら、
「上に登ってみてね!虹が出てて、綺麗だから!」
とかなんとかアドバイスしつつ、さらに、
「あの〜、写真撮ってもらっていい?」
とドサクサに依頼。

で、めがね少年が撮ってくれたのがこれ。

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……。
滝が…うつって…ない…。

すかさず、「あ、4人のも撮りますよ!」と提案、ばっちりの構図で撮影した後、

「ごめん、もう一回、これと同じかんじで撮ってもらえる…?」と図々しく再依頼。

めがね少年、「あ、なるほど」、と快諾してくださいまして、撮ってくれたのがこちらです^^

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滝女、ようやく満足。(笑)

ハシゴをのぼってゆく若者たちを温かく見守った後、帰路につきました。きっと、美しい滝と虹に感動してくれたことでしょう。

こちらはなんだか、妙な達成感がありました。
わたし自身が素晴らしい滝に出会えただけでなく、偶然出会った青春まっさかりの少年少女たちに「川を渡る」というプチ冒険(プチ過ぎるけど)を提案できて、美しい滝景色を知ってもらえたことが、きっと嬉しかったんだと思います。おせっかいだけどね。

その後、わたしは雨滝でもまた長い時間過ごしてたので、帰り際、また少し離れたところで4人組を見つけました。女の子がわたしに気付いて、笑顔で会釈してくれました。

みんなが素敵な思い出が、滝によって彩られていることを願います!

それにしても雨滝はこの筥滝の存在もあいまって、かなりマイベスト上位に食い込んでくる滝になりました。またいつか、別の季節にでも、再訪したいと思います!

おまけ☆
このあと、鳥取砂丘も行きました!
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岡山&鳥取の滝めぐり これまではこちら。
琴弾の滝・岡山県【心のふるさと美作で響く音色】
屋敷の滝/奈義町現代美術館・岡山県【自然と人間と芸術と】
三滝(芦津渓谷)・鳥取県【智頭町の「懐かしさ」の理由】
千丈滝(三滝渓)・鳥取県【吊り橋の上で幸せツーショット】
岩井滝・岡山県【裏見で輝くプリズムの滝】
雨滝・鳥取県【王者の貫禄、虹をまとう百選滝】