この夏、本業(雑誌編集者)で「滝をとりあげる」という夢が、叶いました〜!
『月刊「滝」』発刊という野望に向けての、第一歩であります(笑)

今回、富士山世界遺産登録のタイミングにあわせた特集で、「富士山 × 水」をテーマにした旅の企画が通ったのです。富士山の恵み、湧水の魅力に迫る、ということで、ちょうど、富士山周辺のお薦め滝を2つご紹介(しかもけっこう大きく!)することができました。

ひとつめは、王道のここ。

●白糸の滝・しらいとのたき●
静岡県富士宮市上井出。幅200m、高さ20m。上流の川から流れる滝と、富士山の雪解け水が溶岩断層から湧き出す滝とが並んでいる。国の名勝、天然記念物。日本の滝百選。2013年6月、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一部として世界文化遺産に登録。
来訪日:2013/7/11

th_DSC_0057

回数としては、最も多く訪れている場所かもしれません。

この白糸の滝は全国でも珍しい「潜流瀑」。川ではなく、溶岩の断層から、伏流水が湧き出て落ちてくる、という種類の滝です。

わたしはこの潜流瀑が特に好きなんです〜!
タイプの男性、ならぬ「タイプの滝」です。

山に降った雨が地下水となって、山の地層の間を「見えない川」として汚れることなくゆっくりと流れた後、その終着点、断層が崖となったところで、美麗な滝となって現れる……

なんてニクい登場の仕方なの……!かっこいい!

特に、この白糸の滝は、なんといっても日本一の富士山の伏流水なので、そのスケールは圧巻。滝界の王者の風格です。水量は毎秒1.5トン、滝壺を細かい滝が囲むように流れているので、滝壺に立ってミストを浴びていると、悠久の富士のパワーがたっぷりいただける感じがします。陽があたれば、ばっちり虹も出ますしね!

この滝を味わうスポットとしては、やはりその無数の滝に包まれるようにして滝壺で、というのがベストなのですが、実はいま、滝壺への道は工事中で、通行規制されています。

th_DSC_1491

そう、白糸の滝は、ただいまイメチェン中、なのです!

これだけの条件ですので、昔から観光地化されてきた場所です。しかし、そこに負の側面もありました。滝壺近くに既に廃業した売店が残っていたりして、どうにもさびれた感が漂っていたのです。「見放された人工物」は、人間の身勝手さの象徴。訪れるたび、滝に感動する一方で、いつもいたたまれない気持ちも抱いていました……。

それが、今回の世界遺産登録を機に、これじゃいかん、となったのでしょう。ついに廃屋は撤去され、遊歩道も自然の景観を損なわないよう整備すると。工事は今年12月には終わるようです。

今後は、観光地としてというよりは、自然の偉大さを体感できる場所として、長く長く世界の人に愛されていってほしいなぁ、と思います!

富士山のお薦め滝、その2へ続きます……